唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢俊一のネタの使い回し・ウザい今度の柄杓編。

タコシェで既刊『唐沢俊一検証本VOL.1』『唐沢俊一検証本VOL.2』『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』『唐沢俊一検証本VOL.3』『唐沢俊一検証本VOL.0』「唐沢俊一検証本VOL.4」の通販を受け付けています。タコシェの店頭でも販売しています。
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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 山本弘会長のブログに次のような質問があった。

もちろん私は、このBを擁護するつもりは全くありません。
実は「あなたは卑怯だ」という文章を見て思い出した事があります。
山本さん、これはどうなったのですか?

伊藤剛氏のブログについて
http://hirorin.otaden.jp/e8671.html

唐沢氏の盗作問題にも一言お願いします。

>UHIさん

 その問題については「一言」ではコメントできませんので、いずれ別のエントリーで長文でお答えさせていただきます。

さてその後、唐沢氏の盗作問題について、あなたはお答えしましたか?してませんよね?
約束を守らずにずっと無視ですか?
それこそ「あなたは卑怯だ」ですよ。そろそろお答え下さい。

Posted by チカニシ at 2012年08月22日 18:00


 この質問に対する会長の返答は以下の通り。

>チカニシさんへ

 その問題については、僕も本当に心苦しいです。詳しい事情は書けないのですが、「僕の意思に反して、書けない状況になってしまった」とだけ言っておきます。
 本当は僕もね、あのあたりのいきさつは何もかもぶちまけたいんですよ、ええ!


 なんだか只事じゃない書き方だが、いったいどんな状況なのか心配になる。会長が唐沢問題について努力していたのは例のメーリングリストからもわかるけれど。この件は別にしても、唐沢俊一に忠告して距離を置かれた人を何人か知っているので、唐沢さんにはからんじゃいけないんだろうな、とは思う。まあ、仮に唐沢さんが何らかの事情で反論できない状況になったら、近い人がいろいろと言い出しそうではあるけれど、会長は無理をしてぶちまけなくてもいいと思います。会長の置かれている状況が改善されることをお祈りします。


 今回も唐沢俊一の使い回しを取り上げるが、予定を変更して軽めの使い回しを紹介することにする。「姉さん女房」の件以前にも同じ雑誌内での使い回しがあった、という話である。


 フィギュア王』№89(2005年6月発売)に掲載された唐沢俊一のトンデモクロペディア』第3回「世界征服のトンデモ秘密兵器」は、同じく『フイギュア王』№72(2003年12月発売)に掲載された『カラサワ流奇想怪想玩具企画』第10回「日本の世界征服マニュアル」を部分的に使いまわしている。なお、「日本の世界征服マニュアル」は『奇人怪人偏愛記』(楽工社)に収録されている(P.83〜90)。
 両者を比較すると、「日本の世界征服マニュアル」はいわゆる田中上奏文について説明した後で、そのモトネタは佐藤信淵『宇内混同秘策』であると論じている。一方、「世界征服のトンデモ秘密兵器」は『宇内混同秘策』の具体的な内容について論じている。それだけではなく、「世界征服のトンデモ秘密兵器」には次のような一節がある。『フィギュア王』№89、P.82より。

以前この書に関してはこのフィギュア王で連載していた『奇想怪想玩具企画』でも取り上げたが、今回、その部分にポイントを絞ってもう一度紹介したい。


 内容に重複があることをちゃんとことわっている。新たな書き下ろし分の方が重複した分よりも多いので、「これならセーフなのでは?」とも思えるのだが、両者を比較するとコピペしたとおぼしき部分があって、「これはアリなんだろうか?」と困ってしまう。以下、比較していく。


 『フィギュア王№72』より。

 実は、この田中上奏文の、先ほど紹介した「世界を征服しようと欲するなら、まず中国を征服せねばならない。中国を征服しようと思うなら、まず満州と蒙古を征服しなければならない……」
 という内容には、そっくり、そのモトとなったと推測される元文書がある。しかもそれはなんと江戸時代に書かれたものなのだ。江戸末期の思想家・佐藤信淵という人の書いた、『混同秘策』と言う著作である。
 佐藤信淵は江戸末期に活動していた経世思想家で、平田篤胤に師事(信淵の方が七つも年上だったが)してその影響で復古神道論にカブれ、国家神道を中心としたユートピア思想を打ち立てる。そしてその思想にもとづき、八紘一宇の精神をもって超具体的な世界征服計画を練り上げて発表したのが、『混同秘策(宇内混同秘策)』なのである。


 『フィギュア王№89』より。

(前略)そんな中でわが日本で、堂々と世界征服の思想とその方法を具体的に記述した思想家がいたことを読者諸君はご存じか。
 その思想家の名は佐藤信淵。その著書を『混同秘策』と言う。信淵は江戸末期に活動していた経世思想家で、平田篤胤に師事してその影響で復古神道論にカブれ、国家神道を中心としたユートピア思想を打ち立てる。そしてその思想にもとづき、八紘一宇の精神をもって超具体的な世界征服計画を練り上げて発表したのが、『混同秘策(宇内混同秘策)』なのである。


 後半はモロにカブる。


 『№72』。

(前略)信淵は言う。満州を征服した暁には、必ず蒙古が服従を申し出てくる。なぜかと言えば満蒙の地というのは基本的に作物があまりとれず、蒙古の人民などは草根木皮をかじり、馬の乳なんかで酒を作って飲んでいる。そこに、わが国でも有数の農業地帯である奥羽の諸州から米やその他の産物を送り、それまで馬乳酒しか知らなかった連中にうまい日本酒を飲ませてやれば、その味に感激して、家来になりたいと言ってこないわけがない。そこで蒙古の勢力と力をあわせて中国中央を攻めればいい、というのである。
 信淵は大マジらしい。私はここで大笑いしてしまった。日本酒で釣ってモンゴル一国を家来にしちまう、などという発想は大傑作ではないか。


 『№89』。

 そして、ここからが真髄の部分なのだが、満州を征服した暁には、必ず蒙古が服従を申し出てくると信淵はいう。なぜかといえば満州にはロクな酒がなく、蒙古人は馬の乳なんぞで酒を作って飲んでいる。そこに、わが国の奥羽の諸州から米やその他の産物を送り、それまで馬乳酒しか知らなかった連中にうまい日本酒を飲ませてやれば、家来にならないわけがない、というのである。ここで蒙古の勢力と力をあわせて清国中央を攻めるときには、もともと清国政府は歴史的に蒙古を恐れることはなはだしいから、清国本土は言うに及ばず、朝鮮、台湾に至るまで、まるで苦労せずに征服が可能になる、と信淵は大マジで言う。日本酒で釣って蒙古を家来にしちまう、などという構想はトンデモにしても凄く面白い。


 文章がだいぶ変わっているのに内容があまり変わっていないのが面白い。コピペして細部を変えるのと、一から新しく書くのとではどっちがラクなんだろ。使い回している分量はそれほどでもないものの、2005年から「姉さん女房」への道は始まっていた、と思うとなにやら感慨深い。もっとも、ネタの使い回し自体はかなり早い時期から行われている(2008年7月30日の記事を参照)。


※ タイトル変更しました。


奇人怪人偏愛記

奇人怪人偏愛記