唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢俊一のネタの使い回し・何様?のフェロモン編。

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 今回は唐沢俊一ヘビーな使い回し・第1弾を紹介していく。今回紹介する事例はフィギュア王』№106(2006年11月発売)に掲載された唐沢俊一のトンデモクロペディア』第19回「フェロモン反進化論」で、この文章は週刊アサヒ芸能』2006年3月30日号に掲載された『唐沢俊一のこんなニュースに誰がした!』第49回「オバさんたちの先祖返り現象!」から大部分を使いまわしている。…いや、今回は本当にほとんど重複していて、文字数を比較すると、『こんなニュースに誰がした!』が2278字、『トンデモクロペディア』が2203字、そして両者のうち完全に一致したのが1859字、8割以上カブっている。漢字とひらがなの表記など細かい違いを省いてもこうなのだからシャレになっていない。
 両者の文章の流れをまとめると、まず『こんニュー』は、


(1)フェロモンの説明
 
(2)唐沢の仕事場の近くで氷川きよしのコンサートが行われる日にはオバさんファンのフェロモンが付近一帯に漂っている
 
(3)『冬のソナタ』のパチンコ台の発表会にオバさんファンが殺到した
 
(4)『冬ソナ』のブーム以降、オバさんたちが性欲を隠さなくなってきた
 
(5)大岡越前守が母親に女性の性欲について尋ねた逸話
 
(6)人間がフェロモンを分泌しなくなった理由について戸川幸夫の説を引いて説明
 
(7)夫婦の絆が失われた現代日本のオバさんたちは新しいオスを引き寄せるためにフェロモンを分泌する必要がある


である。次に『トンデモクロペディア』。


(一)中野貴雄監督の映画『アクメくん』には「フェロモンの笛」なるアイテムが登場する
 
(二)フェロモンの説明
 
(三)唐沢の仕事場の近くで氷川きよしのコンサートが行われる日にはオバさんファンのフェロモンが付近一帯に漂っている
 
(四)『冬ソナ』のブーム以降、オバさんたちが性欲を隠さなくなってきた
 
(五)オバさんと若い女性とでは男の好みに関して棲み分けが出来ている
 
(六)大岡越前守が母親に女性の性欲について尋ねた逸話
 
(七)人間がフェロモンを分泌しなくなった理由について戸川幸夫の説を引いて説明
 
(八)夫婦の絆が失われた現代日本のオバさんたちは新しいオスを引き寄せるためにフェロモンを分泌する必要がある


 御覧の通り、ほぼ同じですね。ふと思いついて、『トンデモクロペディア』のコピーをとって『こんニュー』と一致する部分に斜線を引いていったら、出だしの(一)と真ん中の(五)の部分以外みんな斜線だらけになってしまった。


 では両者を比較していこう。『こんなニュースに誰がした!』のフェロモンの説明。

 フェロモン、というものがある。難しく言うと“アンドロスタノール誘導体”である。生物学的にどうだこうだというのはあえてうっちゃって大雑把に説明すると、動物が異性を惹きつけるために分泌する天然の媚薬、である。


 次に『トンデモクロペディア』。

 で、このフェロモンであるが(何が“で、”だ)、難しく言うと“アンドロスタノール誘導体”である。生物学的にどうだこうだという説明はあえて省略して大雑把に説明すると、動物が異性を惹きつけるために分泌する天然の媚薬、である。


 ちょっとだけ違っている。


 『こんニュー』。

ふだん、そういう平均年齢十代の女性たちが集まっている一帯が、急にその雰囲気を変える時がある。毎朝出勤するときに、なんか、違うぞと感じるのである。空気の色がちょっと霞んで見えるような感じで、その霞みの原因は、その日の、そこら一帯の空気が“どろりと濃い”ことが原因であることに、すぐに気がつく。そして、何とも言えぬモヤモヤした感覚が鼻粘膜のあたりを刺激する。


 『トンデモ』。

ふだん、そういう平均年齢十代の女性たちが集っている一帯が、急にその雰囲気を変える時がある。毎朝出勤するときに、なんか、違うぞと感じるのである。空気の色がちょっと霞んで見えるような感じで、その霞みの原因は、その日の、そこら一帯の空気が“どろりと濃い”ことが原因であることに、すぐに気がつく。

 「鼻粘膜」云々のくだりがコピペの際にカットされ、「集まっている」「集っている」が違う。


 『こんニュー』。

 そういう日は、公会堂にアイドルはアイドルでも、おばさまたちのアイドルである氷川きよしなどが来ている日なのである。朝から漂っていた、その不穏なオーラは、夕方の開演間近になってくると、次第次第に濃度を増してくる。


 『トンデモ』。

 そういう日は、公会堂にアイドルはアイドルでも、おばさまたちのアイドルである氷川きよしなどが来ている日なのである。朝からただよっていた、その不穏なオーラは、夕方の開演間近になってくると、次第々々に濃度を増してくる。

 「漂っていた」「ただよっていた」「次第次第」「次第々々」が違う。…なんだか、検証というより、雑誌によくある「7つの間違いさがし」をやっている気分になってくる。ちなみに、唐沢は若い女の子のアイドルファンがフェロモンを発散しないのは「彼女らは異性を惹きつけるどころか、惹きつけられている」からとしているが、それはオバさんのファンだって事情は同じであって理由になっていない。なお、「彼女らは〜」の部分は『こんニュー』『トンデモクロペディア』一字一句同じ。

 

 『こんニュー』。

まったく、この「冬ソナ」以降、50代女性たちが堰を切ったかのように、若い男を追いかけまわし始めた。自分たちの性への欲望を隠さなくなってきた。


 『トンデモ』。

まったく、あの「冬ソナ」以降、50代女性たちが堰を切ったかのように、若い男を追いかけまわし始めた。自分たちの性への欲望を隠さなくなってきた。


 「この」「あの」が違っている。違いが生じた理由は、『こんニュー』の方にあった『冬ソナ』のパチンコ台の話が『トンデモクロペディア』ではカットされたからだろう。前に話が出ていないのにいきなり「この」となったらヘンだもの。




 『こんニュー』。

もともと、50代は女性の性への欲望が最も強くなる時期だと言われている。
「40したがり、50ござかき」
 などと言われるほどで、ござかきとは、いたしながら床に敷いたゴザを指の爪で引き裂くほど性欲が強い、という意味である。これはなにも現代に限ったことではない。江戸時代、大岡越前守が自宅で自分の母親に向かい(以下略)


 『トンデモ』。

もともと、50代は女性の性への欲望が最も強くなる時期だと言われている。
「40したがり、50ござかき」
 などと言われるほどで、ゴザカキの説明はちと当『フィギュア王』誌の品位を下げるのでこれをはぶく。も少し品のいいたとえをあげると、江戸時代、大岡越前守が自宅で自分の母親に向かい(以下略)


 “ござかき”を説明できないならたとえに出さなきゃいいのに。大岡忠相の逸話はexciteニュースを参照してほしい。


 『こんニュー』。

 ところが、現代の日本においては、すでに夫婦の絆というようなものは失われている。社会があまりに便利になりすぎて、夫婦でいることのメリットが何もなくなってしまったのである。……そうなると、いまだ“ござかき”で性欲が衰えない女性たちは、新しいオスを惹き寄せるために、もう一度、失われたフェロモン分泌機能を復活させ、男狩りに外へ繰り出していかねばならない。


 『トンデモ』。

 ところが、現代の日本においては、すでに夫婦の絆というようなものは失われている。社会があまりに便利になりすぎて、夫婦でいることのメリットが何もなくなってしまったのである。……そうなると、いまだゴザカキで性欲が衰えない女性たちは、新しいオスを惹きよせるために、もう一度、失われたフェロモン分泌機能を復活させ、男狩りに外へ繰り出していかねばならない。


 「“ござかき”」「ゴザカキ」。…しかし、『トンデモクロペディア』の方では「ゴザカキ」について説明されていないんだから、『フィギュア王』の読者はポカーンとしてしまったのではないか。それから、『トンデモクロペディア』にはソルボンヌK子が描いたイラストがついているのだが、よりによって奥さんがイラストを描いているコラム「現代の日本においては、すでに夫婦の絆というようなものは失われている」とか書かなくても。



 …こーゆーのを見つける予感があったから、『トンデモクロペディア』を調べるのはイヤだったんだよなあ。ガッカリしたあまり、「おお、もう…」と新の皇帝の名前をつぶやいてしまったほどだ(正しくは「おうもう」)。

 次回はヘビーな使い回しの第2弾を紹介していきます。今回ほどコピペはヒドくないので多少気は楽。


フィギュア王 no.106 (ワールド・ムック 634)

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王莽 (講談社文庫)

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間違い探し〈1〉 (パズルBOOKS)

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