つぶやきは始終躁。
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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp
●4月6日にニコニコ生放送で放映される『ロフトプラスワン列伝!!!』に唐沢俊一が出演するとのこと。
●『週刊読書人』3月23日号に掲載された唐沢俊一と快楽亭ブラック師匠の対談の中で立川談志師匠の本名が誤記されていることは前回の記事で指摘したが、唐沢俊一も公式サイトで苦言を呈している。
※誤植がいくつかありますね。談志の本名を「松尾克由」
とか書いてる(本当は松岡)。ワープロの打ち間違いでしょう
か。あと、対談の中で「快楽亭」と私が呼びかけているせいか、
対談の名前表示が全部「快楽亭」になっている。芸人を
亭号で呼ぶのは、“この亭号で呼んだらもう、あなたしか
いない”という尊敬の意味合いなんですけど、その人物を
区別して指す表記のときは“ブラック”でないといけません。
あれ、『週刊読書人』は事前にチェックさせないのかな、と思っていたら、「つぶやき日記」の中ではチェックしたと書いている。
3月5日
月曜まで、というのでヒーヒー言いながら快楽亭との対談原稿チェックやってさて、完成したので送ろうと編集部のメールを確認したら来週の月曜だった(泣笑)。
それなら誤記に関しては唐沢俊一にも責任はあるだろうし、「快楽亭」の件も指摘しておけばよかったのに。
以下は余談だが、小谷野敦先生がこの対談についてtwitterで触れている。唐沢俊一は『朝日新聞』の書評で『日本売春史』(新潮選書)を取り上げたり、『東京大学新聞』のインタビューで『江戸幻想批判』(新曜社)を読み違えた発言をするなど、小谷野先生に関心がありそうなのだが(別の場所でも『もてない男』に関連した発言をしている)、ブラック師匠も『「昔はワルだった」と自慢するバカ』(ベスト新書)を読んでいる(「快楽亭ブラックの出直しブログ」2011年12月28日)。
●さて、「つぶやき日記」(3月1日〜10日、3月11日〜20日)なのだが、放射能汚染を不安視する人への批判が多くてビックリさせられる。いくつか挙げておく。
3月4日
のんびりできる懸案とそうでない懸案をごっちゃにしてはいけません。政治は実務なのですよ。太平洋戦争末期、終戦に反対する陸軍を説得しよう、話し合いで決めようと無駄な時間を費やしている間に長崎に原爆が落ち、7万人の人命が奪われた。最初から天皇に決済(原文ママ)をあおぎ、陸軍をだまらせていれば失われなかったはずの7万の命があるのです。
いまこうしている間にも、東北地方には一年経って片づかない瓦礫を前になすすべもなく立ちつくしている人々がいる。ヒトラーが出現する危険性が、などというのははっきり言います。タワゴトでしかない。
3月11日
忘れないから前に進めない、ってこともあるんだよ、とつい毒のあることも言いたくなる震災&原発一周年番組群。
3月12日
11日食べたもの。朝:レタスとベーコンのサラダ、酒粕漬けの鱈、ご飯、味噌汁。葡萄。昼:食欲なく抜き。夜:湯豆腐、手羽中辛味漬け、赤飯。なぜ震災追悼の日に赤飯か、とからまれそうな気もするが意味はない。
3月18日
60年代の公害と食品添加物と中国の核実験による放射能の雨ともうもうたるタバコの煙の中をかいくぐってきた世代として、昨今の放射線への潔癖症的なまでのヒステリックな騒ぎ方は笑止でしかないんだが。あ、あと右傾化論もね。
3月20日
(前略)「今年は絶対ウニとか食べるなって震災後すぐ身内から言われてました」って、ウニが腐肉を食って育つと思ってんのか。放射脳のみなさんは。
1月に出たばかりの『トンデモ非常時デマ情報レスキュー』(発売:コスミック出版、発行:ブリックス株式会社)では「危険厨」にも「安全厨」にも与しない中立の立場を標榜していたのに、ここではハッキリと「反・危険厨」になっているのだ。しかし、これは唐沢俊一が転向したということではなく、『デマ本』も中立を唱えながらも「危険厨」批判の多い明らかに偏った内容になっていた(1月29日の記事を参照)から地が見えただけにすぎない、と言える。
それにしても、上の文章には困ったもので、震災一周年の日に赤飯を食べたのを気にする「悪者ぶりっこ」っぷりは心底どうでもいいとしても、「ヒステリックな騒ぎ方」への批判などは、「以前は大丈夫だったとしても今回も大丈夫だと何故言い切れるのか?」と訊かれたら唐沢がどう答えるのか気になるところだし、もっとはっきり言ってしまえばこれは「安心理論」にすぎないのではないか。さすがは「現状維持」の人である。まあ、「現状維持」の人が会社を設立したり演劇に軸足を移そうとしているあたりは、なかなか興味深くはある。
唐沢は「つぶやき日記」3月17日に、
3月17日
朝刊に吉本隆明追悼記事いろいろ。私は青臭い反核運動は大嫌いだが、吉本の反・反核理論には、そのあまりに脳天気な原発擁護に呆れていた。オウム擁護論はまだ、宗教の持つ暗部に切り込んでいたが、この原発擁護はあまりに幼稚で、きちんと否定しておかないと、かえって反・反原発の足をひっぱるのではないかと思ったもの。
と書いているが、唐沢こそあまり粗雑なことを書いては地道に活動している人々の足を引っ張ることになりはしないか。それから、3月16日の吉本の「追討」もひどい。
唐沢俊一が「反・危険厨」「反・放射脳」であることは『トンデモ非常時デマ情報レスキュー』を読めば分かるが、不思議なのは『デマ本』の結論部分でいきなりデマを流す側にも理解を示して妙に腰砕けになってしまうことで(1月30日の記事を参照)、この辺は初読時からずっと気になっていた。
ひとつ推測できるのは、唐沢は実は震災や原発事故について恐怖心を抱いていて、だからこそ被害に警鐘を鳴らす人を攻撃してしまう、ということである。今や唯一の連載となった『幽』でも「いままた壊滅の危機に瀕している日本人」といきなり書いていたあたり(2011年12月18日の記事を参照)、あながち間違っていないような気がする。
もうひとつ推測するならば、唐沢俊一の「運動嫌い」が明確な立場をとらせることを躊躇させている、とも考えられる。「反・危険厨」の立場を明確にしてしまえば、もはや中立とは成り得ず、「運動」一歩手前になってしまう。唐沢としては中立の立場で高見の見物を決め込みつつ現状を維持したい、というところなのでは?と考えてしまう。まあ、この人の行動パターンはいつもそんな感じだしね。
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