本音を申せば？ - 唐沢俊一検証blog

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●唐沢俊一の母上が料理を紹介しているサイトがあるのだが（あえてアドレスは貼らない）、どうやら札幌の義理の息子さんがサイトを運営されているようで、同居している長男は手伝わないのか？と少し不思議に思った。過去の「裏モノ日記」には「母の料理サイト」を作る準備をしている旨の記述が散見されるので、努力はしていたようだけど。

●「オタクアミーゴス会議室」1997年6月5日に、唐沢俊一が「小林信彦、大きらい」という文章を書いていたので、以下にその要旨を説明しておく。

（１）『日本の喜劇人』『世界の喜劇人』はいいが、その中の評価には問題がある（アボット＆コステロ、ジェリー・ルイス、泉和助への評価が例に挙げられている）

（２）桂三枝に「オヨヨ」に関して抗議したあたりシャレがわかっていない

（３）評論はまだいいが小説はダメ（唐沢俊一は『オヨヨ島の冒険』だけは評価しているとのこと）

（４）日本の喜劇映画をけなしているのに『唐獅子株式会社』について黙っているのは卑怯

（５）小林は自らの著書からの引用に厳しく、引用らしきものを見つけるとすぐに抗議の電話を掛ける。また、引用された時にすぐにわかるようにデータを巧妙に改竄しているらしい。

　…言うまでもないことだが、あくまで唐沢個人の評価であること、真偽のほどは定かでないことに留意されたい。なお、「オタアミ会議室」では眠田直も小林信彦が嫌いであることを表明している（岡田斗司夫はあまり関心がない模様）。唐沢がオタクというかマニアの先達に対してキツい評価をしているのが興味深いので紹介してみた次第。
　（４）は、『天才伝説　横山やすし』（文春文庫）の中で語られているが、単行本が出たのが書き込みの翌98年1月なのでやむを得ないか。最近、曽根中生監督が久々に公の場に姿を現したというニュースもあったけど。
　面白かったのは（３）で、自分の父親が昔「小林さんはコラムは素晴らしいのに小説は…」と言っていたのを思い出した。…そーゆー人って多いのだろうか？　自分は『世間知らず』が好きで、文庫版で『背中あわせのハート・ブレイク』と改題されたのは少し残念…、と思っていたら、解説の橋本治が「世間知らず」というタイトルを褒めていたので、「だよねー」と思ったものだった。あと、『袋小路の休日』『ビートルズの優しい夜』とかも個人的に好き（父にも「小説も面白いよ？」とフォローしておいた）。後々『オタクはすでに死んでいる』検証の時に小林信彦の著書を参考文献にするつもりなのだが、小林先生に連絡しておいた方がいいのだろうか。
　…しかし、唐沢が挙げていることは「大きらい」になるほどのことだろうか。好き嫌いは理屈じゃないから、唐沢が嫌いだというならしょうがないけども。唐沢は小林の「手のひら返し」をたびたび責めてもいる（6月7日の記事を参照）。
　ついでに書いておくと、「オタアミ会議室」では唐沢の書き込みの後に、竹熊健太郎さんが竹内博『証言構成・OHの肖像』（飛鳥新社）のために小林信彦に取材を申し込んだ一連の経緯について投稿しているのだが、それを読む限りでは小林信彦という人は確かにかなり難しい人であるように感じた。80歳を目前にして長澤まさみや仲里依紗についてアツい文章を書く人なのだから、「巨人」であることに間違いはないとしても、ね。「オタク史」の観点から小林信彦を捉える、というのも唐沢問題の検証が終わった後で機会があればやってみたい。