唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

あるか? ノスタルジィ。

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 引き続き唐沢俊一鶴岡法斎『ブンカザツロン』エンターブレイン)第2章の紹介。今回は「認めてもらわなくてもいいんんです」(P.88〜P.99)を取り上げる。


 最初に唐沢は「自分たちだけのノスタルジーの世界の住人になろう」という岡田斗司夫の話を紹介しつつ、

第一世代オタクは隠居を考えるべきじゃないかなぁ?

と話している(P.91)。無理して新しいものを追わずに「ノスタルジー」に生きる、というのはオタクの生き方としては有り得るのかもしれない(将来自分もそうするかも)。唐沢や岡田の問題点のひとつは、最近の事情をよく知らないのに無理して語ろうとすることにあるから、彼らが「ノスタルジー」に生きることで「棲み分け」ができるとも考えられる。ただ、「ノスタルジー」の世界にはそれこそ「濃い」人がたくさんいるので唐沢や岡田が対抗できるか気になるところだし、「ノスタルジー」に生きることによって「オタク」から「クラシックアニメ・特撮マニア」へと変化するのではないか?という気もする。


 唐沢の「隠居」発言を受けて、鶴岡氏は「隠居」しても同じ世代のファンがいるから十分商売になるとして、ミュージシャンが長く活動しているとファンの年齢層も上がっていくことを例に挙げている。P.91より。

鶴岡 (前略)やっぱり最近、自分がもう二七になったからかもしれないですけど、自分がコンサートかなんかに行くと、客は三〇過ぎがメチャクチャ多いんですよ。でなんか、その空間が楽しんですよ(原文ママ)。向こうもそんなにねぇ、ミュージシャンの方も、まぁ昔っからのナンバーをやってればいいし。それがあぁ段々うまくなってきたなとか、逆にあぁ手震えてきてんなとか、あぁ酔っぱらってきてんなとか、やべぇ大丈夫かこいつはとか思いながら。だって『ローリングストーンズ』なんてはっきり言って、物として見たらまったくおもしろくないんですよ。ローリングストーンズに会うという事実以外、なにもないんですもん。


唐沢 でも、ローリングストーンズのそのなんというか、まぁミックの唇とか見るたびにね、あの当時の自分というのに戻れるでしょ? ファンがちゃんといて、だからいまだにずっと続けられるわけだよね。

 「ミックの唇」ミック・ジャガー本人の唇なのか、それとも“Tongue&Lip”なのか。『ガーディアン』の記事によればロゴをデザインしたジョン・パッシュはミック・ジャガーの唇をモチーフにしていると言っている。さて、どっちなんでしょう。洋楽の知識がない人が一生懸命話を合わせようとした感じが伝わってくるが、鶴岡氏もストーンズの話題なんか振らなきゃいいのに。



 P.93より。

唐沢 (前略)日本は業界が狭いから、たとえばいままでのロボットアニメとは違う新しいロボットアニメっていう概念ができたとしたら、全部それが一掃されてしまうのね。そんで全部その新しいロボットアニメになって、古いロボットアニメは過去の遺物として振り向きもされない。これが、日本のオタクの文化を貧しくしてるひとつの原因だし、それから逆にいうと世代交代をしにくくしてる原因でもある。(後略)

 「新しいロボットアニメ」というのは『新世紀エヴァンゲリオン』のことなんだろうけど、『エヴァ』以降に作られた多くのロボットアニメが『エヴァ』の影響を受けているとしても、全部『エヴァ』みたいになっているわけでもないのでは。たとえば、『GEAR戦士電童』や『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』は「古い」というか正統派スーパーロボットものだし、他にも『勇者王ガオガイガー』はどうか? 『天元突破グレンラガン』はどうか?と気になってしまう(具体的な作品名を挙げていったらキリがないけど)。分析するならもっと丁寧にやってほしい。詳しくない人ほど『エヴァ』を持ち出して事足れりとするものなのかな。
 この後、唐沢は佐々木功子門真人が主題歌を歌っているような「古いアニメ」も必要だ、と言っているが、佐々木功OVA版『ゲキ・ガンガー3』の主題歌を歌っているのを知っているのかどうか。オールド・ファン向けとはいえ「古いアニメ」をそのままやってもダメだよなあ。


 P.94より。

唐沢 ケンカするっていうか、ケンカ含めてコミュニケーションしなくたっていいのね。第一世代は第一世代で閉塞すりゃあいいんですよ。第二世代はあんなものを相手にしなきゃいいんだよね、はっきり言えば。それをあいつらを倒さなければわれわれは出ていけないって思ってるから、無駄な労力を使う。ほんとに、さっき言ったとおり隣に城建てろと。

 東浩紀を一方的に攻撃してたのは何処の誰なんだろう(『唐沢俊一検証本VOL.4』を参照)。あれはかなり無駄な労力だった。しかし、実際のところ、唐沢俊一は下の世代から相手にされてないよなあ。だから自分なんかかなり奇特なわけです。城というか地下に巨大迷宮を造っているような気分。


 この後、鶴岡氏が「唐沢俊一の本を最近買っていない」と言ったのに対し、唐沢俊一が「弟子が師匠の真似をする必要はない」と返しているが、唐沢はこういうやりとりをしたかったのだろうな、と結構しみじみさせられる。なにせライターとしてデビューして10年も経たないうちから「弟子」を取りたがっていた人だから。唐沢は誰かの下で修業したわけでもないのに師弟関係にこだわっているのは何故なんだろ。


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