唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

『ブンカザツロン』検証スタート。

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 日垣隆twitterでこんなことを書いている。

完全に体力勝負の世界に入ってきた。同時に20冊ほど並行して書いているので。こういうことを言うと小物で仕事が少ない町山容疑者は、すぐ猜疑心を爆発、そして事実と分かり、平謝りすると思いきや、ちょっとした冗談にすらつけ込んで「捏造だw」「改竄だ(>_<)」などと騒ぐ。可愛いやつよのう。

 はいはい。状況が不利だと見ると、それまでの罵詈雑言を「冗談」にして、相手を「シャレのわからないやつ」に仕立て上げようとするわけだ。これも唐沢俊一と同じ芸風。本当にそっくりだな。


 さて、今回から、唐沢俊一鶴岡法斎『ブンカザツロン』エンターブレイン)本文の検証に入る。今回は第1章の冒頭「まずは軽い雑談から」(P.14〜P.30)を取り上げる。最初に『時事放談』の話題が出る。P.14より。

唐沢 今はなくなったみたいだけど、昔は日曜の朝ってぇと竹村健一だとかさ、渡部昇一だとか、ちょっとなんか右がかった人たちの番組があってね、これが好きで毎度見てたのよ。別に保守的思想が良いというわけじゃなくってね、毒舌がとにかく好きで。


鶴岡 あぁそうですね、あって、あれおもしろかった(原文ママ)。フジは必ずやってたんですけどね。


唐沢 テレビ朝日が力を入れてたんですよ。朝日系なのに右寄り文化人が多いのはなんでかな、って思ってたんだけど。バランスをあれでとっていたのかな。

 唐沢が言及しているのは『竹村健一の世相を斬る』のことだろう。ただ、これは鶴岡氏の言っている通りフジテレビ系列で放映されていたので、「テレビ朝日が力を入れてた」というのはどのような番組を意味しているのかわからない。それから、『ブンカザツロン』が発行された2001年4月の時点で、竹村健一は『世相を斬る』の後番組である『報道2001』にレギュラーとして出演していたので、唐沢の「今はなくなった」は適切さに欠ける。


 この後、かつては日曜の朝といえば『時事放談』のような「大人の番組」が放映されていたのに、現在ではアニメや特撮が放映されるようになったことについて次のように語っている。P.16より。

唐沢 『時事放談』の視聴者ってのはね、わかってたんだと思うんですよ。自分たちはこれが正論だ正論だと喜んで見ているけど、しょせんは爺いの繰り言に過ぎないと。まあ、世の中のためになる談義なら、みんなが寝ている日曜日の朝早くに放送しなくても、もっと良い時間に放映されるわな(笑)。もちろん、そんな時間だからこそ、言いたいことも言えるわけだけど。それと同じ感覚が、今のオタク世代……もう第三世代より下の世代ですか、そういう今の子供たちっていうのは、アニメとか変身、戦隊物に対して持っているじゃないか(原文ママ)。われわれの世代はね、やっぱり誇れるんですよ、堂々とそういうものを。だって、ゴールデンタイムにやってたんだからね。なんてったって。そういう意識の差って、大きいよね。

 …うーん、そういうものなのだろうか。『ニチアサキッズタイム』は既にブランドとして定着しているわけだけど。
 個人的な感覚としては、唐沢の発言は理解できない。…いや、だって、自分は幼稚園と小学校の頃、登校する前に必ずアニメの再放送を見ていたから。当時は今のように平日の朝は情報番組ばかりやってたわけじゃなかったのだ。そこで観た数々の番組には人格形成のうえで非常に影響を受けている。中学生になってもウルトラマンM715』とか観てたし。「必殺度」はともかくとして、光線技の「速度」ってどうなんだろ?とは思ったけど。『ウルトラマン列伝』でも必殺技研究をやってほしいものだ。
 脱線がひどくなったので話を戻すと、いずれにしても、子供の頃はアニメや特撮を観られるだけで嬉しかったので、放映時間を気にしたことがなかった。もっと言えば、自分はアニメや特撮を好きだから観ていたのであって、「人気があるから」「芸術性があるから」という理由で観てなかったから、唐沢の理屈がわからないのだと思う。
 それから、「アニメや特撮がゴールデンタイムで放映されなくなった」理由についてはきちんとした分析が必要だと思う。一番大きいのは少子化による視聴率の低下なんだろうけど、それを「アニメや特撮の地位の低下」につなげるのはどうかなあ。いずれにしても「ゴールデンタイムで放映されたアニメを観ていたから、オタク第一世代は誇りを持てている」という唐沢の理屈はとても奇妙で、毎度おなじみの「第一世代エライ」という自慢話に成り得るのかどうか疑問である。そんな風に考えている第一世代の人って多いのかなあ? 逆に考えれば、「睡眠時間を削って早朝や深夜に放映されるアニメを観る」ことだって「誇り」になるといえばなるだろうから、若いオタクは唐沢の言うことを気にする必要なんて全くないことは確か。ンモー、隙あらば下の世代を貶めようとするんだからー。


 P.18より。

唐沢 『ぶらり途中下車の旅』なんか、滝口順平の声が聞きたいがゆえに見てるね、俺は。最近アニメとかに滝口順平が、出てくれないからさ。滝口順平の声に飢えるわけよ(笑)。土曜日のあの番組を見ないと、滝口順平の声が聞かれない。

鶴岡 うーん。微妙ですよね。あれはなんか。『スターボーリング』(原文ママ)亡きあとの、なんか芸能人のリハビリ所みたいな。


唐沢 『旅路の果』(原文ママ)だな。だから、そういう番組って、たいてい貧乏なイメージがあるんだけど、それがあの滝口順平のナレーションがあることによって、若手のあこがれの番組に変換されているのよ。やっぱり、ああいう力技は、今日びの声優にはできないね。若山弦蔵や、熊倉一雄大平透クラスの声じゃなきゃ。私なんか、小林恭二なんかの声を聞きたいためだけに、つまらんクイズ番組とか、必死で見てましたよ。今の子たちってさ、たとえば玄田哲章が他のクイズ番組のナレーションやってたら、その玄田哲章の声を聞くためにずっとみてるだろうかね?

 いや、それはファンなら余裕で見るでしょ。ウスい自分だって、『報道ステーション』の小山茉美とか『バンキシャ』の大塚芳忠とか、ナレーションを聞いているだけで嬉しくなるもの(ちなみに、玄田さんと芳忠さんは『日常』第7話で「まさか!」と思うような役で出演している)。『TVタックル』の郷里大輔もよかったんだけどなあ(合掌)。そんなことはさておき(佐藤賢治風に)、唐沢が何故自分だけ特別だと思っているのか謎。よく知らないのに最近の声優が実力不足であるかのように言うのは本当にやめてほしい。
 それから、小林恭二だ。『ゼウスガーデン衰亡史』(ハルキ文庫)は面白かったけど、あの人は声優もやっていたのか…、って、それは小林恭治だって! …文章でノリツッコミをやるのは難しいッスね。誤植が大きなミスにつながりかねないという一例。余談だが、小林恭治竹熊健太郎さんの親戚にあたるとのこと。


 P.21より。

唐沢 (前略)私が昔、渋谷のスナックに行ったらさ、そこに『遊星王子』のスチールが額に入れて飾ってあったんだよ。そこのママがさ、昔、女優で、宇宙人に襲われて、『ナショナルキッド』の梅宮辰夫に助けられる少女の役をやっていたらしいの。生涯、スチールになった役はそれひとつだったんだろうな。

 これ、編集者はおかしいと思わなかったのかなあ。「生涯スチールになった役」というのが、『遊星王子』か『ナショナルキッド』、どっちなのかわからないもの。まあ、梅宮辰夫が出演していたことから考えると『遊星王子』なんだろうけど、ナショナルキッド』は何処から来たんだ?


 同じくP.21。コント赤信号小宮孝泰が『宇宙戦艦ヤマト』にちょい役で出演していたという話(これは本当)から。

鶴岡 (前略)俺は、やっぱりね小宮なんていったらやっぱり別のことを考えちゃいますからね。「おまえは今夜パーティがあるんだけどこないか」っていうギャグしかないだろうっていう。


唐沢 あぁ『ひょうきん族』のね。『ゴーストバスターズ』のリック・モラニスに顔が似てた、ってだけで(笑)。

 MCコミヤもいいんじゃないですか? ジャケ写面白い。


マーシーがいる。


 この後、唐沢は「オタク第一世代」が声優の地位を高めたと主張する。P.24より。

唐沢 はっきりいって、声優だってきちんとした職業であり、その声の質や芝居のうまさに価値が生ずるんだ、と言い出したのは、われわれ第一世代オタクが最初です。これから徐々にこの対談で言っていくけどね、オタクという人種のあり方、というか生き方に、さまざまな問題を見る人々も多いでしょう。排他性の問題や、人間関係構築の技術の拙劣さ、とかね。ただ、ある種の価値観がチェンジオーバーされる際に、その担当者というのは、世間一般とあまり融和している人というのは不向きなんですよ。回りがどう思おうと、自分がいいと思っているものはいいんだ、と、ごく初期にいい切れる(原文ママ)、ターニングポイントのカギを握る人物というのは、会社なんかで見ても変人とか、人嫌いで通っている人なんですね。オタクたちが声優というお仕事に価値を見出さねば、いまだに世間じゃ、あれは“影の声”ですよ。

 まあ、確かに「オタク第一世代」の功績はあったのだろうとは思う。でも、唐沢俊一個人はどうなんだろう?とも思う。最近の声優への興味のなさを見ると声優に興味があるとも見えないし、そもそもこの人が本当に好きなものはなんなのか?と常々疑問に感じている。そういう部分が見えれば好感を持てるようになるはずなので(岡田斗司夫には何かしらの「こだわり」らしきものは見える)、なんとか見つけたいところなのだけど。


 P.26〜P.27より。

唐沢 いやぁでもその前の『マンザイ太閤記』てのがあったでしょ。あれもかなりつまんなかった。


鶴岡 あぁはいはい。


唐沢 あれなんか、マンザイブームだから、その人気漫才師たちに声を演じさせれば客が入るだろうと。その前の『じゃりン子チエ』で、やっぱり大阪弁芝居だからって、漫才師に声をやらせて、大失敗した。やっぱり吉本の芸人にジブリのドラマは無理だったか、って。だから、それぞれのキャラクターをそのまま使った『マンザイ太閤記』を次に澤田隆治が監督して、やっぱりダメだった。……アニメ人気というのは、声優人気が支えている、オタク人気なのだということに、さすがの澤田隆治でさえ、まるで気がついてないんです。私だったら、あそこで吉本興業に、人気声優を全部引っこ抜く(笑)。


鶴岡 すごいことになったでしょうね、そうなると。

 鶴岡氏の心のこもっていない相槌が光るが、劇場版『じゃりン子チエ』の公開は1981年スタジオジブリの設立は1985年なので「ジブリのドラマ」は誤り。高畑勲が監督してたら何でもジブリなのか。「吉本の芸人にジブリのドラマは無理」という理屈もよくわからない。ちなみに、唐沢俊一による『じゃりン子チエ』評は2月21日の記事を参照していただきたい。


 P.27より。

唐沢 『カッくんカフェ』は伊武さん使っていて、わかっているかと思っていたらやはりダメでしたね。デスラーのあの、じゃないんです。『スネークマンショー』の、という選択肢で伊武雅刀を使っている。その証拠に、他の声優が桑原茂一に、竹中直人、古館伊知朗(原文ママ


鶴岡 『カッくんカフェ』酷いですね、あれ。でもあれ本郷さんが絵コンテ切ってんですよね。


唐沢 今のアニメファンってのは、演出家で作品選びますよね。それくらい進歩している。でも、当時は声優で選ぶ、というのが通だったんです。主役が神谷明か、じゃありきたりだな、これは曽我部和行だからちょいと見てみよう、とか(笑)。

 「本郷さん」というのは本郷みつるかな。『スネークマンショー』の延長でアニメを作ってもいいとは思うけど(アニメファンの嗜好とはズレるとは思うが)。
 それに今でも演出で作品を選ぶ人と声優で作品を選ぶ人は分かれていて、どちらか一方が進歩しているということもないのではないか。


 P.27、P.29より。

唐沢 アニメというものを、入れ物として見ていたのね。『おしん』が流行ったから、じゃアニメにしよう、とか。今の若い人は信じないかもしれないけど、マジにやったんだよ、サンリオがね(笑)。アニメ人気というのは、巨大ロボットもののファンたちが、メカと声優と美形キャラの三つに騒いで作り上げたものなんだ、ということを認識せずに、実写ドラマを見慣れていないからアニメにとどまっているんだろう、程度の感覚で捉えていたんです。『がんばれタブチくん』なんかをアニメにする、あのあたりの勘違いっていうのがね。当時は歯がゆいったらなかったけど、今、客観的に思い出すと、その齟齬が非常に興味深いですね。旧来の世代が、自分たちの価値観がおびやかされるということも知らずに、「これなら喜ぶだろう」とカン違いしたものをどんどん与えるという。だから、俺みたいなひねくれ者は、いま現在の状況って、あまり興味ねえんだよな。作り手側がねあまりにもこちらの市場調査をしすぎてね、そういうバカな外したものってあんまり作らないでしょ。

 えー。「ガンダム論争」で「アニメ人気」を批判していた人がこういうことを言うかなあ(詳しくは『唐沢俊一検証本VOL.0』を参照)。「メカ」と「美形」をやっつけていた人に「俺は当時のブームをわかってましたよ」的なことを言われても。
 あと、「いま現在の状況」に興味がないならコメントを控えるべきだと思うよ。


 P.29〜P.30より。

鶴岡 そうそう、そうなんですよ。だからスゴイ、品のない話ですけど、今その第一世代オタクが、オタクはこれで喜ぶんだよってことを作ってきちゃったから、そこだけ攻めるじゃないですか。もう腹立ってきてるんですよ。なんかねぇ最初から最後までフェラチオされてるみたいなね。


唐沢 そうそう、いくら感じるといっても、先っちょばかり舐めてんじゃね、とか(笑)。たまにはね、ヘソとかを責めてみてもいいんじゃねえか、というね。


鶴岡 試しに、膝舐めてみたら気持ちいいとかあるじゃないですか。女の膝を舐めたら、クリトリスよりか気持ちよかったとか。これは専門用語で“ひざくりげ”っていうんですけど。


唐沢 (爆笑)うん、そういうようなね、遊びをしないのね。こことここがっていうマニュアル通り、みたいな感じになっちゃってて。「一回いい」って言ったらそこばっかりみたいな。

 鶴岡氏も人が悪い。耳年増をからかうのはよくないって。


 P.30より。

唐沢 コミケの同人誌って、探すとおもしろいのは、そこなんだな。やおい漫画とか、あるいはロリコンブーム時でもそうだったけれど、だいたい考え方同じなの作ってるのはわかりますね。頭のいい人とか、トンがった才能ある人ってのは、どんどんどんどんそれで興奮できない方に突っ走って行くのね(笑)。限界に挑戦する。これでもかこれでもかっていう感じで。ロリコンも、ラナちゃんでやるとかクラリスでやるとかっていうのが最初の段階でもって、それからどんどんどんどん、『ハゼドン』のシーランに行くとか(笑)ね、だんだん、エロを感じさせないようなものに行ってって、最後は『リスのバナー』(原文ママ)だとか、『ムーミン』のノンノンでやるとか、そういうあたりのところまでたどりつく(笑)。

 性的嗜好と頭のよさは別物だと思うし、いたずらに奇を衒ってもそれは意味があることなのかどうか。人が注目しないマイナーな題材を取り上げるだけでは、ある意味「出オチ」でしかないような気がする。


 こんな感じで次回に続く。


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