唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

改竄ナックル。

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karasawagasepakuri@yahoo


 日垣隆twitterでの大暴れがなおも継続しているわけだが、とうとう町山智浩さんのツイートを改竄するという暴挙に及んだ(togetterを参照)。
 もちろんこのこと自体非常に驚くべきことだが、唐沢俊一ウォッチャーとして驚いたのは、「他人の発言を改竄した」点でも日垣と唐沢俊一は同じなのだ。「平気で盗用する人」というのはどこまでも似るものらしい。


 唐沢による「他人の発言の改竄」が行われたのは、1998年1月に発行された別冊宝島・実録! サイコさんからの手紙』(宝島社)に掲載された『実録! エヴァンゲリオン症候群!!』でのことで、伊藤剛さんが「オタクアミーゴス会議室」に投稿した文章を改竄して、伊藤さんがあたかも『エヴァ』信者であるかのように仕立て上げたのだ。
 まず、『サイコさんからの手紙』P.105〜P.106より、唐沢が「引用」した伊藤さんの文章を紹介する。

>唐沢さま
ご心配なさらないでください。僕はそんなに了見が狭くありません。
当然のことながら、僕の中のエヴァは、近い将来終わります。自分のなかで完結するのです。そうなったら、なんらかの方法で、キチンと相対化することでしょう。しかし、今それをするのは、性急にすぎると思うのです。
あの途方もない高みにまで達した庵野という人は、やはりスゴイ、と思います。見事、とまで思います。 今まで、かわいい(快感に満ちた)マンガの絵を描くことに一抹の後ろめたさを感じてきた僕にとって、あの“高み”は非常に心強いものでした。“ああ、あそこまで行けるのだ“という。
僕はこれから、エヴァに“さよなら”を言うことでしょう。それでしか、前には進めませんから。

 次に伊藤さんが「オタクアミーゴス会議室」に1997年7月21日14時49分に投稿した文章の一部を抜粋。

「負けてたまるか」  というのは、一応、ものを作る立場の人間としての、「飲み込まれてたまるか」とい う一種の強がりです。
押井守大友克洋が、感情にダイレクトに訴える快感としての「アニメキャラ」を否定したのに対して、その快感原理で最後まで押してあの途方もない高みにまで達した庵野という人は、やはりスゴイ、と思います。見事、とまで思います。

いままで、かわいい(快感に満ちた)マンガの絵を描くことに一抹の後ろめたさを感じてきた僕にとって、あの「高み」は非常に心強いものでした。「ああ、あそこまで行けるのだ」という。だから、「負けてたまるか」なのですね。

 もうひとつ、伊藤さんが1997年7月21日19時44分に投稿した文章の一部を抜粋。

ご心配なさらないでください。僕はそんなに了見は狭くありません。


 笑うにしても、なままかなセンスと技術がなきゃできないでしょう、と言っているだけのです(原文ママ)。オリジナルを凌駕し、ひっくり返し、相対化するようなギャグを、むしろ見たい、と思っています。それに、これまで通り、エロ同人誌を集め続けるでしょう(あれを基にして、一体どうやってエロ同人をやるのか、非常に興味がある)。
 また、己の位置をどこにも属さない(それこそオタク、という幻想共同体にも)スタンスをとるのが、孤高のことなのは百も承知しています。

その場合でも、自身の立場が消えてなくなる訳ではない。
ギャグにするにしても、評論するにしても、玩具にするにしても、それをする当事者、主体は消えることはありません。
もし僕が、誰かを批判するとすれば、上記のような行為はするのだけれど、決して誰にもツッコまれぬように、自分の顔を見せない者に対してだけです。


だから、どうか皆さん、僕をキチンと笑かすようなひねりを見せて下さい。
僕自身、何か考えついたら、きっとエヴァをギャグにもするでしょう。


でも唐沢さん、事には順序があると思うのです。


いきなり、「さあひねるぞ。さあ相対化するぞ。」という構えをするのは、僕の性に あいません。当然の事ながら、僕の中のエヴァは、近い将来終わります(もう終わりつつある)。自分のなかで完結するのです。だから、人のエヴァ解釈を聞くほうが楽しいですね(今日も、北海道の自主テクノ・レーベルの人の話しを聞いたところです)。
そうなったら、なんらかの方法で、キッチリ相対化することでしょう。
いまそれをするのは、性急にすぎると思うのです。
ぼくはこれから、エヴァに「さよなら」を言うことでしょう。
それでしか、前には進めませんから。


だから、先の発言は、「エヴァのおしまいについて」というタイトルなのです。


 そもそも、2つの文章をツギハギしている時点でまともな引用とは認められないのだが、唐沢の「引用」と伊藤さんのオリジナルとでは意味合いがだいぶ変わってしまっている。唐沢が伊藤さんにどのようなイメージを付与させようとしたかがありありと見えるのが興味深いが、不正確な引用がいかに恐ろしいものなのかもよくわかる。
 唐沢も気が咎めたのだろうか、コラムの最後にこのような但書がついている。

(発言引用に関しては、大意のみを伝え、言い回し等を変えたものになっています)

 いや、その「大意」が歪められているのが問題なんだって。っていうか、「言い回し等を変えた」ら「引用」じゃないって。わざわざ言い訳するくらいならやらなきゃいいのに。意外と小心なのね。
 なお、『唐沢俊一検証本VOL.4』で、この件を含めて『エヴァンゲリオン』に関する一連の騒動についてまとめているので、興味のある方はそちらを参照してみてほしい。オリジナルと「引用」の比較表も載っているのでわかりやすいかも。


 で、実は唐沢による改竄の方が日垣のそれよりも悪質だったりする。
 第一の問題点は改竄が一般に広く発売されたムックで行われていること。伊藤さんは『国際おたく大学』での誹謗中傷に関して唐沢俊一夫妻、岡田斗司夫と発行元の光文社を訴えて実質勝訴しているのだが、宝島社も同じように訴えられていたらかなりマズかったと思う。
 第二の問題点は立場の弱い人間の文章を改竄していること。町山さんは日垣より人気のあるライターだから、改竄にも対抗できたわけだが、1998年当時の伊藤さんは唐沢より立場が弱かったわけで、実際のところ唐沢のイメージ操作のせいで伊藤さんは後々まで誤解されてしまっている。まあ、日垣も一般人のツイートをいじくっているようだが…。


 正直に言うと、『検証本VOL.4』の執筆中にこの改竄を知って以来、自分の中で唐沢俊一という人のランク付けはかなり下がってしまった。自分の都合のいいように他人の発言を歪めることは、表現に携わるものとしては絶対にやってはいけないことだ。むろん、盗用も被害者の労力を掠め取る行為なので、どっちの方が罪が重いのか、と一概には言えないのかもしれないが、少なくとも自分の中では何かが決定的に変わった。このようなことをした人がその後10年以上もライターを続けてきたことにも驚かされる。「オタクアミーゴス会議室」に参加していた人はヘンだと思わなかったのだろうか?
 もっとも、盗用も改竄も他者の表現に敬意を払わない点において共通しているので、盗用したことのある人間が改竄をやってのけていたとしても驚くにはあたらない、とも言えるのかもしれないが、いずれにしても、ライターとしては問題がありすぎることは確かだ。現実的に考えても、著作権法に違反している。


 日垣隆について言えば、昔の著作を見る限りではそれなりにいい仕事もしているので、このような現状になっているのが意外でもあるし、昔から「自分褒めが多い」「やたら喧嘩っ早い」のは目立っていたので、ある意味では想定の範囲内なのかもしれない。変貌の理由については「精神状態の悪化」「優秀なスタッフが抜けた」などあれこれ推測されているようだが、詳しいことはわからない。唐沢の検証が一段落したら調べてみてもいいかな。

 
 唐沢が盗用する理由については、夏に出す同人誌の中で考察する予定なので、どうぞお楽しみに。



主人公のCVが矢尾一樹なので『ダンクーガ』ネタが出てくる。

カイザーナックル

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電子書籍を日本一売ってみたけれど、やっぱり紙の本が好き。

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