おい、おぼえていますか?
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karasawagasepakuri@yahoo
今回は『パチスロ必勝ガイドNEO』6月号に掲載された唐沢俊一『エンサイスロペディア』第49回「超時空要塞マクロス」を取り上げる。
日本におけるテレビアニメの歴史において、『超時空要塞マクロス』という作品はまさにエポックメイキング的作品、と言えるだろう。あの『新世紀エヴァンゲリオン』で巻き起こった騒ぎすら、言ってみればこの『マクロス』の登場時の衝撃をそのままなぞったもの、と片づけてしまえるほど、その出現は新時代の到来を象徴するものだった。
ほう。『エヴァ』は『マクロス』を「そのままなぞったものだった」のか。なかなか興味深い意見だ。唐沢がそのように考えるのは、『マクロス』が「アニメオタク」によって作られた作品だったからだという。
この作品を作ったスタッフは“アニメブームによって育てられた”第2世代である。劇場版監督の河森正治、脚本の大野木寛、キャラデザインの美樹本晴彦、メカデザインの出渕裕、作画の庵野秀明など、主要スタッフはみな20歳から24歳前後の年代で、8年前のヤマトの放送に衝撃を受け、3年前の『機動戦士ガンダム』の出現にいてもたってもいられなくなり、自らもアニメ制作の現場に飛び込んだ人々だ。言わば、“受け手”から“送り手”へとその立場を変えた人々である。
…どうも、ウィキペディアを下敷にしたとおぼしき文章である。スタッフの若さを強調するために、TV版ディレクターの石黒昇と構成の松崎健一の名前をスルーしている(あと宮武一貴も)のもアレだが、一番気になるのは板野一郎の名前がないこと。『マクロス』といえばすぐに「板野サーカス」を連想するのだけど…。小黒祐一郎氏は唐沢と同じ趣旨のことを書きながらもちゃんとおさえている。
観ているとだんだん酔ってくる。
この後唐沢は、『マクロス』の「オタク作品」らしさとして、「ロボットアニメでありながらアイドルアニメでもある」「凝りすぎて作画が間に合わなかったり、回によって出来不出来が激しい点をファンに深読みされたのは『エヴァ』を先取りしている」といった点を挙げているが…、えーとね、はっきり言ってしまっていいと思うんだけど、唐沢俊一は『マクロス』を観ていない。だって、「バルキリー」「ガウォーク」「デストロイド」「ダイダロスアタック」も何も出てこないのだ。当時幼稚園児だった自分も『マクロス』はリアルタイムで観ていたけど、一番印象に残っているのは「メカのカッコよさ」だったので、ここまでスルーされるのが信じられない。82年の作品すらチェックできていないのか?と愕然とさせられる。マジで『ヤマト』以降の作品を観ていないのかなあ。…第1作すらそんなんなので、『マクロス7』や『マクロスFrontier』の話は当然出てこない。「読者よ! 俺の文章を読め!」と言われても、イラッ☆とさせられるだけだな。迷いに迷ってランカ派に(クラン大尉はちっちゃい方がいいかな)。
マクロスは、今見返しても、その“初めて天下をとったオタクたち”の稚気と覇気がダイレクトに伝わってくる、楽しい作品である。しかしこの、受け手と送り手のあまりの同一性は、やがて、アニメを一般ファンをおいてけぼりにした、オタクだけの“閉塞性”に追い込むであろうことも、本放送時からすでに指摘されていた。その指摘が的中したのかどうかは、この台をプレイしながら、じっくり考えていただくことにして、ここでは口をつぐんでおく。
そんな面倒なことを考えながらパチスロしたりしないって。このままずっと口をつぐんでいただいても一向に構いませんよ、ええ。
なお、『マクロス』が放映される前年(1981年)に唐沢俊一が「アニドウ」の会誌に投稿したゆかいな文章と、やはり「アニドウ」の会誌に1984年に投稿された「アニメ百馬鹿」を参考までに紹介しておく。これも一種の「オタクの閉塞性」への指摘と言えないこともない。…しかし、唐沢はオタクが「閉塞」した存在だと考えているのかな?
…うーむ、「よく知らない作品については総論めいたことを言ってごまかす」のは唐沢俊一の常套手段なのだが、今回は特にヒドい。『マクロス』と『エヴァ』の比較などズサンきわまりなくて読んでいて泣きそうになった。岡田斗司夫に話を聞けばよかったのに。…まあ、このコラムをマジメに読んだのは世界で俺一人だけであろう、という点が唯一の救いだ。編集者もちゃんと読んでないでしょ、これは。
間奏部分が『ガン×ソード』のOPのアタマによく似ている。
…さあ! 気を取り直して『魔法少女まどか☆マギカ』の最終回を観るか。いよいよ放送!
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