唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

ケダマンバトル。

ガセとパクリ、あなたはどっち派?
 

 杉江松恋さんが『まんが極道』のレビューをしているが、5巻のキーになるのはやっぱり「いばりんぼ」「うそつきくん」ですよね!


 本題。唐沢俊一鶴岡法斎『ブンカザツロン』エンターブレイン)に収録されている唐沢俊一のコラム「唐沢的メルクマールFILES」その7、「少女がオトナになるのは」(P.133)では、『OUT』の編集長だった南原四郎が後に少年愛専門誌を創刊したことを取り上げて次のように書いている。

 アニメオタク〜少年愛雑誌〜怪情報という流れを見ると、なにやらこの南原四郎という人の立ち位地(原文ママ)の変遷が、そのまま私という人物にダブって重ねあわされてくる。
 知的オタクというもののハマる、ひとつのパターンをこの編集長は体現しているのかもしれない。

 はいはい。少年愛雑誌を読むのはあくまで知的好奇心に駆られたからであって、決してそのような趣味があるからではない」ということですね。よーくわかってますって。どうして同性愛関連になるとこうも言い訳がましくなるのか。


 ただ、自分がこのコラムの中で一番気になるのは実は冒頭の部分である。以下引用する。

 第一オタク世代に、“ひょっとして、世の中は自分たちの方に大きく向きはじめたのかもしれない”と思わしめたのは、天下の商業雑誌であった(今、思えば情けないものであったが)みのり書房の『OUT』が、創刊時はただの総合サブカル誌であったのに、突如『宇宙戦艦ヤマト』特集号を出して、それから一挙にオタク雑誌に変貌していったことであった。私の札幌同人活動時代の先輩であるケダマンという男も、この『OUT』で下手くそなセルマンガを連載し、帰郷した折などは東京で大成功した先達、という扱いを受けていた(いま、どうしているのか……)。

 ここを読んで「え?」と思った。
 「ケダマン」「セルマンガ」といえば、伊藤秀明氏のことじゃないか? 『サンダーバード』研究の第一人者であり、『ファンロード』の表紙を描いていた人だ。調べてみると、伊藤氏は北海道出身で1957年生まれ、つまり唐沢俊一より1歳年上なので、たしかに「先輩」なのだ。いやー、意外な関係だなあ。
 …しかしだ。唐沢俊一が伊藤氏のことを知らないことがあるのか?とも思う。長年オタク業界で仕事をしていればどこかで接点がありそうなものだし、実際伊藤氏は『ナカヨシ』(音楽専科社)で岡田斗司夫山本弘会長と対談をしている。…あ、でも、同じく岡田&山本対談にゲストで登場している小牧雅伸氏とも接点がなさそうだから、伊藤氏のことを知らない可能性もあるか。唐沢俊一にはぜひとも小牧氏相手に「『ヤマト』はわしが育てた」話をしてほしいものだけど。一応、唐沢のいう「ケダマン」氏が伊藤氏でない可能性もあることは考慮したほうがいいかな。
 いずれにしても、『OUT』や「ケダマン」氏を何故か貶めているあたり、唐沢俊一が当時のムーブメントを苦々しく眺めていたことは想像に難くなく、『ぴあ』における「ガンダム論争」(『唐沢俊一検証本VOL.0』を参照)ではそういった鬱屈が爆発してしまったのかも、と思ったりした。 


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・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関連したイベントに興味のある方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。

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