唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

「へぇ」フライデー。

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karasawagasepakuri@yahoo



 唐沢俊一ソルボンヌK子トリビアな日々』は『FRIDAY』2004年6月25日号から2006年5月5日号まで連載され、その内容は『唐沢俊一の雑学王』(廣済堂)と『史上最強のムダ知識』(廣済堂ペーパーバックス)に収録されているが、そこで披露されていたトリビアにガセが多数含まれていたことは当ブログを含めた検証サイトでたびたび指摘してきた通りである。
 その一方で、唐沢は『FRIDAY臨時増刊号』に何回か登場していて、そこでもトリビアを披露している。今回取り上げるのは、『FRIDAY臨時増刊号』2004年1月17日号の特集「もっとすごい「へぇ」もあった! 超人気『トリビアの泉』の“素”を大公開!!」である。この特集では、『FRIDAY』編集部が唐沢の著書の中からおすすめのトリビアをピックアップして紹介しているのだが、残念ながらガセを再利用してしまっているので以下に挙げていく。

ジャイアント馬場の足は本当は十五文しかなかった

 これは『トンデモ一行知識の世界』(ちくま文庫。以下『世界』と表記)P.3にあるが、実際のジャイアント馬場の足の大きさは14文。トリビアの泉』ではジャイアント馬場の足は16文なかった」と改変されて紹介されている。この改変にスーパーバイザーの意向は働いていたのだろうか。

ラジオ体操の第一は『作業員用』、第二は『事務員用』である

 これは『トンデモ一行知識の逆襲』(ちくま文庫。以下『逆襲』と表記)P.118にある一行知識だが間違い(詳しくは2008年12月3日の記事を参照)。

ソープランドの法律上の正式名は、『純生熱気浴場』

 これは『世界』P.86に載っているがガセ。「児童小銃」で詳しく調べられている。「法律上」ってどの法律なんだ。

カルビーかっぱえびせん』のフレーズ“やめられない、とまらない”は社長の大学の同窓生である栗本慎一郎のアイデアである

 これは『世界』P.44に載っているがガセ。詳しくは「トンデモない一行知識の世界」を参照。

ウナギは交尾の刺激で排卵する。つまり、性交すれば必ず妊娠する

 これは『世界』P.92に載っているのだが、ウナギは体外受精をするわけで、「妊娠」という言葉を使うのは不適切だろう。ウナギの生態には現在でも不明な点が多いが、一般的な魚類の交尾(交接・抱接)のメカニズムからすると考えにくい話だ。


※追記 泉水さんのご指摘を受けて再度確認したところ、『世界』P.92では「ウナギ」ではなく「ウサギ」となっていた。つまり、『FRIDAY』の記事は誤記なのである。
 だが、『FRIDAY』の記事には、

さすが、食べると精がつくと呼ばれるだけのことはある。

というキャプションがついていて、ご丁寧なことにウナギの写真まで載っている…。

『万歳』は、手のひらを内側に向けるのが正式。政治家が当選したときにやるのは、多くの場合、手のひらが前を向く『お手上げ』

 これは『世界』P.52にあるが誤り。詳しくは『トンデモない一行知識の世界』を参照。

浜名湖の名物は“夜のお菓子”というキャッチフレーズのついた『うなぎパイ』だが、このシリーズはほかに“朝のお菓子”である『すっぽんパイ』、“昼のお菓子”の『えび塩パイ』がある

 これは『世界』P.40〜41にあるネタだが、商品名に誤りがあることは『トンデモない一行知識の世界』で指摘されている。さらに言えば、現在は「えび汐パイ」に代わってしらすパイ」が「昼のお菓子」となっている。雑学は時間の経過とともに絶えずリニューアルしていく必要があるということなのだろうし、読者も数年前に読んだきりの雑学本の内容を鵜呑みにしてはいけないということでもあるのだろう。

アルマジロは一卵性の四つ子しか産まない

 これは『逆襲』P.114にあるが、詳しくは「トンデモない一行知識の世界」を参照。

巨人の星がイタリアで放映された際、花形満は『ミッチー』、星飛雄馬は『アントニオ』

 これは『史上最強のムダ知識』P.244〜245にあるネタだが、イタリア版『巨人の星』で星飛雄馬“Tommy Young”という名前に変更されている。『史上最強のムダ知識』では、

トミーはアントニオの愛称

とされているが、アントニオの愛称は「トニー」か「アントン」ではないか。ちなみに、花形満は“Alexander Mitchell”なので、一応「ミッチー」になるのであろうか。

 ついでに『史上最強のムダ知識』P.245にはこのようにある。

 この他、柔道もの『YAWARA!』は、『ジェニー・ラ・プリンチペッサ・デッロ・ジュード』とかなり長い名前に改題された。これは「柔道のプリンセス・ジェニー」という意味。

 イタリア版ウィキペディアでは『YAWARA!』のイタリア版のタイトルは“Jenny la ragazza del judo”となっている。他にもイタリア版では“Ginger la principessa del judo ”“Ginger la campionessa del judo”という別題もあるようだが、唐沢の書いている通りのタイトルは確認できなかった。


※追記 この件に関してはコメント欄も参照。


 …結局、ガセを再度広める結果になってしまったわけで、記事にする前に「FRIDAY」編集部も裏を取ればよかったのに、と思う。この特集記事では、唐沢俊一のインタビューも掲載されている。最初に唐沢はスーパーバイザーの役割について語っている。

 番組が始まる前にスタッフの人たちに、ただ単に人が知らないような知識を出しているだけじゃ面白くないんだと。そこにひねり加えて(原文ママ)見せないと趣味性のある知識にはならないんだとお話しました。現在は、いわゆる俳句の宗匠というような立場で、私のサイトに集まってくる一行知識をもとに、番組に送られてくるトリビアを面白い形に手直ししたりするというのが仕事です。

 ふーん、「スーパーバイザー」ってそういうことをしていたのか。でも、ガセだらけの人に宗匠をされるのも困る。


 次に一行知識のストック数について語っている。

 いま六千いくつあります。でも、その中でテレビに使えるといったら、10分の1ぐらいの量になっちゃうでしょうし、しかもテレビの中の映像になっていい具合になるというのは、さらに少なくなります。テレビでウケがとれるトリビア、しかもゴールデンタイム向きのものは、一部の一部の一部にすぎないと思います。でも、本当に世界は広くて深くて、どこまで行っても果てしないということは知っておいてほしいなと思いますね。

 唐沢俊一は小学生の頃から雑学をストックしているはずだけど、30年以上集めてきて「六千いくつ」は多いのか少ないのか。いずれにしても、「六千いくつ」もあるのなら、ネット上でパクる必要なんてないと思うのだけど。「世界は広くて深くて」云々は何を言っているのかよくわからない。


 最後に唐沢は「薀蓄」と「トリビア」の違いについて語っている。

 薀蓄というのは多少、知らないのかね、教えてあげようみたいな優越感が入るんですよね。一方、トリビアというのはエンターテイメント(原文ママ)、「こんなのあってさ」と言っても、人に笑われる知識。そのあたりに差があると思いますよ。

 唐沢俊一には雑学を披露することによって相手より上位に立とうとする意図があるようだから(2月16日の記事を参照)、「薀蓄」派なのかな。でも、唐沢の雑学が笑われているのは確かだからやっぱり「トリビア」なのかもしれない。ただし、唐沢の意図しないところで笑われているので、本人が喜んでいるかどうかはわからない。


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