蔵書不安定。
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唐沢俊一の蔵書は処分するまでは2万冊あった、ということになっていたらしい。『給与明細』でも『ビジネスマンの強化書』(インフォレスト)でも『中州通信』2008年1月号のインタビューでもそのように紹介されている。
ところが、やはりというか例外が存在するので、今回はそれを紹介してみたいと思う。
まず、『カルトな本棚』(同文書院)P.156より。
私の本を集める方向性というのは、一方向じゃないので、ある分野分野で、ひとつおもしろいのが見つかると、とりあえず手に入るものはすべて集めたい、読んでみたいということになる。決して本に溺れて、なんでもかんでもといったことではなく、一冊一冊が僕にとっては手に入るべくして入ってきたということです。現在3万冊近くの本がありますが、その一冊一冊に出会いやエピソードがあるわけです。そういう本と一緒に暮らしているというのは、好きになった女性と一緒に暮らしているみたいなものです。秦の始皇帝が阿房宮に何千という妾を囲ったという話がありますが、僕も好きな女性を本棚の中に囲っているんだという気持ちです。僕にとって本棚とは、阿房宮みたいなものですね。
ここでは「3万冊近く」となっている。2万冊より多い。
次に、『論座』2008年5月号の「本棚拝見」より(担当は品川裕香記者)。
この事務所だけでもゆうに2万冊の本がある。貸倉庫や自宅にある分も含めれば3万冊は軽く超えている。これまでは、手元に置いている書物を売るなんて考えたこともなかったが、50歳になった今年、とうとう意を決して処分を開始した。
…すると、「3万冊近くの本」のうち、2万冊を事務所に、それ以外を貸倉庫や自宅に持っていったということなのだろうか。
ただ、この「本棚拝見」で唐沢は妙なことを言っている。
「自分が本のコレクターだと意識したのは高校生のとき。白土三平と手塚治虫のマンガ本をすべて集めるところから始まりました。弟と二人で集めただけでも軽く1万冊はあります」
『中州通信』のインタビューより。
それで高校三年ぐらいまでに漫画だけで千冊ぐらいの蔵書があった。なをき(実弟・漫画家)と一緒にですけどね。だから、その時代までの漫画は何を言われてもすぐ読めて応えられるという
オタクの道を意識して志したのは高校時代。こづかいの全額を古本に費やし、高校1年のときにマンガだけで蔵書が二千冊あったというキ×ガイぶり(原文ママ)で親を嘆かせる
『中州通信』と『オタクアミーゴス!』で既に数字が違っているのだが、「本棚拝見」ではそれどころかケタが違っている。一体なんなんだろうなあ。…それでも矛盾のないように考えれば、高校生の時に1000〜2000集め、大学生になって以降に兄弟で8000〜9000を集めた、ということなのだろうか(しかし藤岡真さんのブログを読む限りその可能性はかなり低そうだ)。
もうひとつ、「本棚拝見」での唐沢のヘンな発言。
「40代までは、人生は長いから集めた本はいつか読めると思っていた。が、目が達者で本が読めるのは80歳までと考えると、人生かけても読める量を超えてしまったんです(笑い)。1万9999冊まではどこに何があるかわかっていたのですが、2万冊を超えた瞬間から整理不能となりましたし……」
またもや『中州通信』のインタビューより。
私ね、一万冊まではどこに何があるかわかっていたんですが、10001冊目からまったくわからなくなった(笑)。これが記憶力の限界ですね。
『中州通信』2008年1月号、『論座』2008年5月号、半年も空いていないのにどうして数字がこうも変わるのか。ハッタリをかますならせめて設定をキチンと練ってほしい。
ついでに、唐沢俊一による「本棚拝見」の紹介文より。
真っピンクの表紙が目印です。
特集は「ゼロ年代の言論」。
おお、あの方が”相次ぐ新雑誌創刊”を考えていらっしゃいます。
同じ雑誌同じ号に載るとは、奇遇ですねえ(…でもないか?)。
…いまだに東浩紀を意識しているのか? 向こうは唐沢に別に興味を持っていないと思うけど。
そして、『朝日新聞』大阪版2004年4月11日朝刊31面掲載の「「雑学王」目指してみよう むだを楽しむ心も大切」という記事より(担当は下地毅記者)。
唐沢さんは「タイトルが無味乾燥な専門書や一読してつまらない本も、熟読すると意外な発見があることがあります。雑多な本が並ぶ古本屋はわくわくするほど情報の宝庫です」と言います。こうして集めた4万冊で仕事場はいっぱいです。
…今度は「4万冊」。しかも仕事場限定。そんなに何万冊も増えたり減ったりしたら大変なことになりそうなものだが。だから設定を練れってば。
この『朝日新聞』の記事でも、唐沢はヘンなことを言っている。
「ネットは便利ですが、伝聞が多くてあまり使えません」
…え〜っ?! あれほどコピペしまくってたのに? 言ってることとやってることが違うじゃないか。
下地記者がまとめた唐沢俊一のノウハウ。
(1)古本屋の本棚の隅っこに注目する。世間が無関心な所に意外な発見がある
(2)名著を読む。次に名著でない物を読み、違う見方を学ぶ
(3)目的地に行くまで道草をたっぷりと
(4)人間への尽きぬ関心は不可欠
(5)情報が本物かは、足を運んで現場の空気を体感しないと分からない。同時に、偽物を楽しむ心のゆとりも大切だ
(1)(3)は良しとしよう。
(2)は、そもそも唐沢が名著を読んでいないという問題があるにしても疑問だ。何を持って「名著」とするかという問題があるし、逆に「名著でない物」を読むことによって「名著」の面白さがわかるということもあるはずだ。「読書」についてあまりに単純というか粗雑に考えているように思う。
(4)は唐沢の場合、「人間への尽きぬ関心」は単なるゴシップ好きに堕している。
(5)は、現地で直接取材しているはずの『トンデモ都市伝説探偵団』の面白くなさを考えると、「現場の空気を体感」すればいいってものでもないと思わざるを得ない。「偽物を楽しむ心のゆとりも大切だ」については同感。そうでなければ唐沢俊一の検証なんか出来ないからね。
もしかすると、唐沢俊一は蔵書が何冊あるか、数えたことがないのではないか。で、雑誌か新聞に取材を受けた時に「いったい何冊あるんですか?」と聞かれて、「2万冊」とか適当な数を言ったのでは?とも考えたのだが…。「高校のときのマンガのコレクション」「1万冊まではどこに何があるかわかった」についてはフォローできないけど。
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