唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

ティアーズ・フォー・ガセビアーズ。

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 唐沢俊一にしては珍しい文章を紹介してみる。GOETHE』2006年9月号より「その輝きを追い求める意味」。

 身近なエピソードから、語らせてもらいたい。長年のつきあいのある男の、仕事の成果が発表になり、友人たちを誘って見にいった。その仕事を完成させるまでに、いろいろとトラブルが連続していたことは耳にしていた。いわゆる大人の事情というものが重なり、時間も使えるスタッフも、彼の思いのままにはならず、上の者たちが勝手なことを言い出して、基本路線からの変更にまで至ったことも数度にわたってあった。天才肌で、仕事に対し職人的なこだわりを求める彼にとっては、さぞかし苦痛以外の何ものでもなかった期間だったろう。端から見ていても大変そうで、私だけではなく、周囲の何人もの人が何度か「投げ出してしまえよ!」と声をかけたことがある。それでも、彼は超人的な努力で、なんとかその仕事を完成させた。
 だが、見にいったその仕事の出来は無残なものだった。完成させた、ということだけが成果としか思えず、とても彼の仕事として誇れるものではなかった。私たちは「彼もついに上に屈したか、さそ無念だろう」と思った。
 ところが、完成披露の席で、彼はにこやかな笑顔を作り、トラブルの原因だった上の者たち〜仕事の善し悪しもわからず、ただ完成したということで喜んでいる〜とも握手を交わしていた。おやおや、と私たちは顔を寄せ合ってささやいた。さすがの彼も感性が鈍ったかな、と。やがて彼は私たちの席にも握手を求めてきた。私たちは握手をし、なにか言おうとして言葉をのんだ。にこやかな彼の笑顔と裏腹に、その目には、大粒の涙がたまっていたのだった。
 それが全てを語っていた。私たちも何も言わず、ただうなずき返した。こちらの目にも、ちょっと光るものがあったかもしれない。


                    *


 好きな仕事を好きなような環境で進められる。そんな理想的な状況にある人間もごくたまには存在する。若いうちは、そういう環境で完成した仕事でなければ価値なんかない、と信じ込みがちだ。だが、ある程度人生の経験を重ねてくると、仕事とはすなわち、周囲との妥協と苦闘と挫折の、ひとつの集積体の謂であることがわかってくる。あまりにめぐまれた状況で完成した仕事よりも、種々の事情で傷だらけになった末に世に出た仕事の方が、はるかに味があるように思えてくるのだ。そういう苦労の末に完成したものは、一様にきらきらと光っている。傷だらけのものなのになぜ光っているのか、私もしばらくはわからなかった。それが、その仕事に関わった男たちの、こっそり流した涙に濡れて光っているのだ、と気がついたのは、ついこの間に過ぎない。くやし涙であれ、うれし涙であれ。
 その輝きを追い求めることが、仕事というものを理解する、一番の近道だろう。そう信じたい。信じて涙を流したい。

 この「身近なエピソード」、いい話だとは思うが、いまいち具体的じゃないのが気になる。まさかフィクションじゃないんだろうけど…。

 一番ひっかかるのは、彼の目に「大粒の涙がたまっていた」としても、「仕事の出来は無残なもの」であることに変わりは無い、ということだ。作り手が作品に込めた思いや完成させるまでの努力と出来上がった作品の内容はあくまで分けて評価されるものだろう。あと、出来上がった作品の内容に不満があっても完成披露の場では「にこやかな笑顔」を作るのが大人としてごく当たり前の対応ではないのか。「感性が鈍った」とか言われる話ではない。「ひとつの集積体の謂」という言葉遣いもヘンじゃないかなあ。goo辞書

いわ‐れ〔いは‐〕【×謂れ】
《動詞「い(言)う」の未然形+受身の助動詞「る」の連用形から》
1 物事が起こったわけ。理由。「―のないうわさ」「無視される―はない」
2 由緒。来歴。「―のある土地」「家宝の―」

仕事についてこんなカッコいいことを言うならセルフコピペみたいな適当なことをしないでほしいよ。

 とはいえ、唐沢俊一が言うことにも一理はあるようにも思う。何故なら「唐沢俊一検証blog」も笑いすぎて流した涙でキラキラ光っているからだ。唐沢俊一に関わった人の中には血の涙を流している人もいそうだけど。


カジヒデキも『ティアーズ・フォー・フィアーズ』という歌を作ってたな。

ベスト・オブ・ティアーズ・フォー・フィアーズ

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GOETHE (ゲーテ) 2006年 09月号 [雑誌]

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the fireworks candy+puppydog store

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