唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

ハッピーバースデー、デビルマン!

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・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方、唐沢俊一に関連したイベントに興味のある方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。

karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 「博覧狂喜演芸会」中止の件について藤岡真さんが「楽園」に電話で質問したところ、 「主催者の判断」で中止になったという回答があったそうです。唐沢俊一の説明と明らかに矛盾している。
 唐沢俊一がウソをついているのなら「楽園」の信用を害することになるからフォローする必要があるし、「楽園」がウソをついているのなら唐沢や「あぁルナティックシアター」は対応を考えるべきだろう。


 本題。今回はパチスロ必勝ガイドNEO』11月号掲載の唐沢俊一のコラム『エンサイスロペディア』第42回デビルマンを取り上げる。

 デビルマン』と聞いて、私のようなオタク第一世代が連想するのは二つである。ひとつは言うまでもない、今回のタイアップの原作にもなっている永井豪自身によるコミックス。そして、もうひとつはアニメ版のいかにもアニメヒーロー然としたデビルマン。こちらを見たことのない世代でも、阿久悠作詞の主題歌は、テレビでタレントがいまだにネタにしているので聞いたことがあるのではないだろうか。

 「オタク第一世代」でない自分も「二つ」のデビルマンを思い浮かべたのだが。デビルマンが漫画とアニメでだいぶ違うことはオタクの基礎知識に属する事柄だと思う。
 それと、「主題歌」というとデビルマンのうた』のことなんだろうけど、エンディングの『今日もどこかでデビルマンも名曲なので説明しておくべきだろう(こちらも阿久悠作詞。作曲は都倉俊一)。唐沢俊一P&Gについて「誰も知らない知られちゃいけない」と思っているんだろうけど。たまにテレビで出ても「あれは誰だ誰だ誰だ」状態になっていはしないか。


ほりのぶゆきが『ヅラーマン』で替え歌を作っていたっけ。


 あと、テレビでタレントが『デビルマンのうた』をネタにしているってあるけど、そんな人いたっけなあ…。まさかデビルタカマンのことじゃないよなあ。

再現率が高くて笑った。『みなさんのおかげです』のコントは丁寧だ。

 われわれは、永井豪のあの原作の中盤からの衝撃の展開と、それを上回る、マンガ史に残るインパクトのラストシーンからてっきり、コミックス版のあの展開をテレビで表現するのが無理なので無難なヒーローものとして子供向けに改作したのだ、と思いがちだが、テレビ版の脚本を担当した辻真先氏の証言(岩波ジュニア新書『ぼくたちのアニメ史』)によると、なんとマンガとアニメは同時期に企画されたという。

 その「われわれ」というのは誰のことなんだ。さっきは「私のようなオタク第一世代」とあったし、実に無造作に自分を集団の中に放り込むものだ。
 『デビルマン』のマンガとアニメの関係も良く知られていることだし、永井豪はつい最近『激マン!』(日本文芸社)で『デビルマン』製作秘話を描いていたから、辻真先だけでなくそっちも参照すればいいのに。さらに言えば、豪先生はこないだまでデビルマンゲッターロボを『チャンピオンRED』で連載していた(終盤で驚愕の展開が!)。…相変わらずアンテナが鈍い。

 デビルマン』とほぼ平行して、これまた後のアニメ界に巨大な足跡を残すことになる『マジンガーZ』を描いていた永井豪は、間違いなく、この時期(1972年)、作家としての大ブレイク期にあった。一方の『マジンガーZ』がキャラクターの魅力で読者を惹きつけていく作風であったのに対し、『デビルマン』は前述のように、人類対悪魔という壮大なテーマを持ち、かつ、悪魔(デーモン一族)の方が地球の先住民族であり、人類側の方こそが憎しみとエゴに満ち、地球を荒らした悪者であったという、価値観の大逆転が基本設定に含まれていたことなど、そのストーリィの大胆な発想と構成で永井豪の天才性をこちらに印象づけた。そして、その発想が(前記の辻の証言を正しいものとするなら)当初からあったものではなく、子供向けアニメ化を前提とした企画から大きく永井氏の頭の中でふくらみ、ある意味逸脱し暴走していった結果、あのような日本のマンガにおける金字塔的な衝撃作にまで発展したことを思うと、作家の想像力というものの素晴らしさ、才能というものがその絶頂期に見せる輝きの凄さに、大きな感動を覚える。

 『エンサイスロペディア』ではお馴染みの「おためごかし」である。「『デビルマン』すごいなあ。永井豪すごいなあ」と感心しているだけだ。シレーヌとかサイコジェニーとかいいキャラがいるから、『マジンガー』と『デビルマン』の比較には首を捻ってしまう。主人公のデビルマンだってかなりカッコいいしなあ。「価値観の大逆転」は『デビルマン』に先行する『ハレンチ学園』にも見られることだし、『ススムちゃん大ショック』(1971年発表)は今読んでもショッキングだ。唐沢俊一はリアルタイムでそれらの作品を読んでいたと思うのだけど。

 パチスロでこういった過去の名作をテーマにした台をプレイする際に皆さんが感じるであろう制作スタッフの熱意は、まぎれもなく日本を代表する名作から彼らが得た、感動の集積であり、それをパチスロの形でどう伝えるかという工夫の集積である。それをくみ取って欲しい。 

 そんな面倒くさいことを考えてパチスロなんかやらないって。もうね、字数稼ぎというのが見え見えで痛ましいよ。『デビルマン』ならそれこそいくらでも語るべきことがあるだろうに…。


 ひとつ気になったのは、映画版について触れていないこと。唐沢俊一山本弘会長もメチャクチャにやっつけていたのになあ。唐沢俊一P&Gについても「ああ、サタンだからな」と考えれば納得できるようなできないような…。

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