唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

1981年の「祭り」/ゴミクズの記憶。

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・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。

karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 たまには唐沢俊一以外のパクリ疑惑についても紹介しておく。ラノベというかオタク関係では『CROSS†CHANNEL』パクリ事件以来の大ネタかも。今後も唐沢俊一以外のパクリ事例を取り上げたり、パクリについての一般論を書いてみることがあるかもしれない。「無断引用」というおかしな言葉については、呉智英が「すべからく」の誤用を指摘しているくらいに執拗にやっていこうかと。


 本題。
 4月から「MONDO21」で『平成極楽オタク談義』の再放送をやっていたのだが、遅ればせながら『第壱夜 富野由悠季を観たので、感想を書いたり唐沢俊一の発言をピックアップしてみたい。2003年6月23日ロフトプラスワンで収録されたというので7年前の番組になる。
 まず、番組全体の感想としては、結構楽しめたというのが正直なところだ。ゲストの池田憲章トークがとにかく熱い。富野監督の演出の素晴らしさをさんざん語り倒しておきながら「でもそんなに好きじゃない」と何度も断るのが可笑しくて仕方ない。さすがは池田kensyouhanのモトネタになった人というべきか。…そろそろネタをやろうかな。
 岡田斗司夫もそんなに悪い印象はしなかった。富野監督の無重力の描写の細かさや『宇宙戦艦ヤマト』の逆噴射について楽しそうに語っているあたり「本当に好きなんだな」と思える。まあ、「『ガンダム』を観てきた人間だけが富野監督を笑う権利がある」という(『オタク座談会』で見かけた)いつもの論法は気になったし、『0080』や『0083』を観ていないのはどうなのかなあ、と思った。アナベル・ガトーデンドロビウムは一度観ておいた方がいいと思うよ。あと、本人にはすまないと思うのだが、やっぱり「太った岡田斗司夫」の方がしっくりくる
 さて、問題は唐沢俊一である。この人だけはヘンなことばかり言っているので、特に気になった発言を紹介していきたい。なお、唐沢俊一のコメントは早口で聞き取りづらいうえに、何度もつっかえつっかえしながらしゃべっているせいで、コメントをそのまま正確に起こすとわけがわからなくなってしまうので、読者のみなさんにわかりやすいように適宜要約していることをあらかじめお断りしておく。もちろん内容を歪めないよう最大限配慮したつもりである。

ガンダム』の時にとにかく私はあわててその前の富野作品というものを見直してみたというのがあるんですよね。いきなり『ガンダム』で周りの人間、特に若い人たちがわーっと騒ぎ始めて、「祭り」っていうんですかね。われわれが『ヤマト』の時に騒ぎに騒いで若い人間はもう置いてくと。もう我々にはお前たちはついてこれまい、ざまあみろと思っていたら、いつの間にか追い越されていた、っていう私みたいな『ヤマト』原点人間にとっては『ガンダム』はポーンと逆にいうとカヤの外に出されちゃったところがあって。それまで『ザンボット3』や『ダイターン』(発言通り)までを熱く語っていたわれわれをおいてけぼりにして『ガンダム』から以降の人間が、それよりウォーッと語りはじめる。

 意外だったのは下の世代を突き放すために『ヤマト』の時に騒いでいたということだ。いや、「オタク第一世代」より上の世代に対して「もう我々にはお前たちはついてこれまい」と思うのならまだわかるんだけど。札幌時代から下の世代をバカにしていたのかと思うと少々ゲンナリする。
 で、『ザンボット3』についてこの後こんなことを言っている。

私なんかみたいなアニメの歴(発言通り)が長くてひねくれていた人間には「こんなひとりの人間に、富野という人間に心を乗っ取られてはいけない」と、『ザンボット3』のサークルみたいのができて、人間爆弾だの泣いたのわめいたのという話をしている時に、こっちはとにかく必死で「アンチ富野」、「アンチ巨人」みたいなものですよ。われわれはなにか他のものを持ち上げなくちゃいけない、ということで『超人戦隊バラタック』のファンクラブを作ろう!ってことでですね、あまりにもしょうがないものなんだけど、あれの対極にあるものはこれなんじゃないか、そうだ!そうだ!と。

 …あれ? 『ガンダム』以前に『ザンボット3』から既に批判しているじゃないか。わけがわからない。…それにしても「富野という人間に心を乗っ取られてはいけない」というのは異様な発想だなあ。『エヴァンゲリオン』ブームの時には「庵野という人間に心を乗っ取られてはいけない」と思って伊藤剛さんにあれこれ言っていたのだろうか。
 それから、唐沢は『バラタック』について『オトナアニメ』VOL.2のインタビューで長めに話をしているので、いずれ取り上げるつもりである。…こんなしょうもない理由で持ち上げていたとは知らなかったけれども。

私と富野さんの対立の接点というのは何回も出てきますけど「ガンダム否定論」というのを『ぴあ』の投稿欄でやったときに、最終的にクリエイターを連れてきて「この意見をどう思うか?」というのを聞かせようっていうんでやったときに、富野さんひとりだけじゃなくて手塚治虫さんとかも出てきて、一番熱くなっちゃったのは手塚さんで、俺に対して名指しで「人が作ったものをこんな素人が勝手に批評する権利はなーい!」とか言ってたんだけども、当の富野さんが一番タヌキって感じがして、「こういう意見は出てくれないといけないんで、僕はむしろ褒めてくれる人よりもこの人の方が絶対ありがたい。むしろスタッフにほしいくらいだ」みたいなことをね。俺、その場で就職のアレを書こうかなと(履歴書を書くマネをしながら)

 嘘つき。
 まず、『ぴあ』での手塚治虫のコメントを一部抜粋する。

見る側にはあれこれ要求したくはないんだけど、例えばSF大会なんか開かれても半分は「ヤマト」「ガンダム」ファンで、SFなんて全く読んでいないという人が多い。そうしたものをSFとみなしたとしても、SFにかっこ良さだけを求める風潮は、どこかおかしい。それにアニメのマニアと言われる人達が、YouとPiaなどの場を借りて、自分の意見をやけに押し付けようとしている。だいたいマニアってどうしてあんなに圧力をかけたがるのか、アニメーションの場合、特にそんな気がするけど、そういうのは意味がないね。

ともかく、プロの作り手は、今のアニメーションで満足していてはいけないよね。そして、観客サイドも、色々な見方が出来て、もっと、様々な議論が出てくるといいね。

 手塚はマニア全体を批判しているのであって、唐沢俊一を名指しなどしたりしていないことは明らかだし、マニアを批判しながらも意見が出てくることを歓迎している。唐沢の言っていることはほとんど誤りであると言わざるを得ない。
 そして、唐沢俊一は手塚に批判されていないことを『平成極楽オタク談義』の時点で既に知っていたのである。1998年10月に出た『投稿する人々』(宝島社)に収録されている『あえて「ガンダム嫌い」の汚名を着て』で唐沢は次のように書いている。

(前略)手塚氏に至っては、
「見る側にあれこれ要求したくはないが、マニアというのはどうしてあんなに圧力をかけたがるのか。こういう場を借りて、自分の意見を押し付けようとしている」
と、ファンの側を批判するような発言をしている(僕は「神様」などと呼ばれている人物の、あまりに非論理的なこの発言に仰天するあまり、もっと激語で批判されたと思い込んでいたが、今回十数年ぶりに読み返すと、それなりに手塚さんも当時のアニメ界の状況に困惑した感想を抱いていたことが分かる。要は、この“状況”を作った元の人物として「あなたの言うこともわかるが……」という苦衷の発言だったのだろう)。

 今まで「持ちネタ」だった「手塚治虫に批判された」という話が実はカンチガイだったとわかって慌てているのがよくわかる。さらに言えば、唐沢は『あえて「ガンダム嫌い」の汚名を着て』以降、手塚からの批判についてコラムで一度もネタにしていないはずである(今のところ確認できていない)。…にもかかわらず、トークライブでは気が緩んだのかネタにしてしまったわけなのだが。番組収録なんだから記録が残ることに思いが至らなかったのだろうか。いずれにしても、自分でも間違いと気付きながら手塚治虫に汚名を着せようとしているのは許しがたい。
 それだけでなく、唐沢俊一富野監督のコメントまでも捏造している。『ぴあ』での監督のコメントは長いので2008年11月23日の記事を参照して欲しいが、唐沢のことを「スタッフにほしい」なんて言ってないし、むしろ逆に唐沢は怒られているのだ。そもそも「私と富野さんの対立の接点」という一投稿者と監督がまるで対等であるかのような言い方をしているのが笑える。…どうしてこんなに自分に都合のいい考え方ができるんだろう。笑いを通り越して怖い。…もしかすると記憶力がゴミクズ程度なのかもしれないけれど。

ガンダム』でアムロ・レイというキャラクターが出てきて、SFアニメの主人公という正義のヒーローみたいのをひっくりかえして、これでアニメは変わるな、これはかなわんと。これはみんながハマるのも無理ないと。だから、これに対して反発しなきゃいけないというのが、私が「ガンダム否定論」を出したというのに大きくあるんですよね。これはズルいよと。ぼくらオタクというのはもともと子供が観ていた幼稚なものにいろんなのをつけて喜んでいる大人のちょっとしたいけないお遊びという感じだったのが、いきなり大人向けのものを出されてきちゃあっていうね。そこには楽しむためのひねりもなければテクニックもいらない。そのままぼくたちに向けて作ってきているから、これはいいに決まっているのに、『トリトン』だとか『ガッチャマン』だとか、あんなものをマジに受け取って高度な遊びをしていたやつらが。

 つくづく理解できないなあ。「これに対して反発しなきゃいけない」ってどうしてそう思うんだろう。それから、たとえば『宇宙戦艦ヤマト』もそれなりに「大人向け」なのではないか?と思うし、『ガンダム』から一気に「大人向け」になったというのはどうか?と思う。『ガンダム』以外にも子供向けのアニメはあったわけだから、そこで「高度な遊び」をやってればよかったとも思う。わざわざ『ガンダム』を否定する必要なんてなかったんじゃないの?
 ちなみに、唐沢俊一の「ガンダム否定論」については2008年11月18日から7回にわたってまとめているので参照してほしい。


 あと、今の若い人が『ザンボット3』の人間爆弾を絶賛していることについて、

当時は視聴率が取れなければキャラクターを殺すのは当たり前で、たとえば『氷河戦士ガイスラッガー』でもやっていた。だから『ザンボット3』の人間爆弾も「ああ、またか」という感じだった。

とも言っていた。…どうも「ガイスラッガー」と言いたかっただけのような気もする。「マイナーなアニメの名前を出して笑いを取る」パターン。


 …とりあえず、唐沢俊一のものの考え方がよくわからない、というのが正直な気持ちだ。もう少し流暢に喋ってくれればなあ。唐沢の発言に岡田斗司夫池田憲章がまったく突っ込まないのは「オタク第一世代」に共通した心性だからなのか、単純にイベントだからなのか。

 なお、この回の『平成極楽オタク談義』の動画が某動画共有サイトに残っているが、何故か唐沢俊一が主に発言している中盤部分だけ残っていない。直接観れば喋りの異様さがわかると思うのだけど…。また再放送してくれないものか。

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