アキハバラ@SHALLOW。
shallow=浅い
「知泉の雑学クイズ」リリースおめでとうございます。それから、『ヌイグルメン!』も今号の『イブニング』で完結。お疲れ様でした。小林まこと『沓掛時次郎』を読んでいて不覚にも泣きそうになってしまった。
本題。
今回は『ラジオライフ』7月号掲載『唐沢俊一のトンデモ都市伝説探偵団』の「伝説その7 秋葉原通り魔事件は平将門の祟りなのか?」を取り上げる。…タイトルからしてヤバいのだが、それはおいおい突っ込んでいくことにして。
今回気になったのは話のつなぎ方が強引なこと。今回取り上げられている「都市伝説」は、
・秋葉原で献血が盛んなのは童貞のきれいな血液を採取するため
・平将門の伝説あれこれ
・秋葉原通り魔事件は平将門の祟り
なのだが、まず最初に秋葉原にはメイドがたくさんいるという話から始まる。カラサワ探偵長の発言は赤字、少年探偵すばるの発言は青字で記す。
今やメイドは繁殖して、メイド居酒屋、メイド美容院からメイド風俗まで何でもある。メイド焼肉なんてものもあるぞ
献血の列にメイドが並んでいる、なんて光景があっても不思議じゃないですね。あ、そういえば秋葉原の名物に献血がありますね(後略)
…強引じゃね? メイド関係の商売を挙げていった後で、どうしてメイドが献血に並んでいる話になるんだかわからない。せめて「メイドが血を採っていても不思議じゃない」とすればよかったのに。
何て偏見ですか! しかし他にも、30歳まで純血を守ると魔法使いになれる、という話も聞きますけど、失敬な話ですよ
「純潔」。
献血ばかりじゃない。秋葉原という街はそもそも、血の匂いが濃厚だ。秋葉原の氏神は電気街のすぐ近くにある神田明神だが、この神社は平将門を主祭神にしている
…強引じゃね?その2。献血に「血の匂い」を感じるのかー。…っていうか、神田明神はもともと将門の首塚のある現在の大手町にあったのが、江戸時代初期に現在の土地に移ってきたわけで、秋葉原という土地そのものに「血の匂い」があるかというと疑問ではある。
…まあ、「血の匂い」とか言うなら、秋葉原の辺りは昔「佐久間町」と呼ばれていて(現在でも地名として残っている)、火事の火元になることが多かったことから「悪魔町」とも呼ばれていた、という話でもすればよかったのに、と思うが。あと、『姿三四郎』で矢野先生が刺客に襲われたのも旧万世橋(めがね橋)だったっけ(つまり刺客が投げ込まれたのは神田川)。現代版『姿三四郎』はアキバに通うオタクを主人公にしたらいいのかも(『弱虫ペダル』みたいだけど)。…唐沢俊一の話がウスいので思わず脱線。
小説の『帝都物語』やゲームの『真・女神転生』でも有名なあの将門ですね! でも、将門の祟りで有名な首塚は東京都の大手町にあるんでしょう?
そう。だからこの神社に祀られているのは将門の胴体という属説も聞くな。そもそも“神田明神”というのは、将門の“カラダ”を埋めた場所なので最初はカラダと呼んでいたのが“カンダ”になった、という冗談のような話もある。
「俗説」。誤植その2。担当の続木順平さんは今号で『ラジオライフ』を離れるらしいのだがしっかりしてほしい。それと、唐沢俊一は神田明神が移った話をしていないな。
その後、明治天皇が神田明神を行幸した際に将門が祭神から外され、その影響で関東大震災が起こったとか、『風と雲と虹と』のおかげで祭神に復帰できた話が続いた後で、いよいよタイトルにある秋葉原通り魔事件と将門の関係の話になる。なお、秋葉原通り魔事件の説明文はウィキペディアを下敷にしているっぽいけどスルー。
…この事件も、将門の祟りと結び付けようという根も葉もない説がいろいろ飛び交ったな
何より、この事件で命を奪われた方々の数が7人、というのが都市伝説を生んでいるみたいです。将門は北斗七星を信仰していたみたいですから
犯人の罪は本当に深いが、一方で、彼のような契約社員が行き場をなくしてしまいかねない今の社会の在り方を指摘した意見もあった
今の社会に対する哀しみとやり場のない怒りが将門を目覚めさせたのかもしれません。“北斗の真髄は極限の怒りと哀しみであるといわれ、哀しみを背負う者のみが究極奥義を極められる”そうですから
それ、北斗七星じゃなくて北斗神拳だろうが…!
あたたたー(照)!
…面白くない、という以前に意味がわからない。続木さんは意味わかったのかなあ。自分のユーモアのセンスが揺るがされそうで「あぁルナティックシアター」の舞台を観に行くのが怖くなってきた。北斗神拳の説明がウィキペディアそのままだし。
・・・っていうか、秋葉原の事件と将門を結びつけた説って「いろいろ飛び交った」のかなあ。調べてみてもリアルライブくらいでしか扱っていなかった。浅草寺のシャドーマンもリアルライブがモトネタだったみたいだから、唐沢俊一の情報源になっているようだ。
・・・でも、「と学会」の幹部がどうしてこんな話をまともに取り合うんだろう。
秋葉原通り魔事件の犠牲者は七人。
↓
現場近くにある神田明神の祭神である将門は北斗七星を信仰していた。
↓
よって、事件は将門の祟りによって起こった。
あまりにバカバカしいので、自分は怒る前にだるくなってきてしまうのだけど、口蹄疫の被害を天罰と呼んだ『日刊ゲンダイ』に対して怒っていた山本弘会長はこの話をどう思われるのだろうか。通り魔の被害に遭った人々にだって祟られる理由なんてないはずなのに。
・タコシェにて『唐沢俊一検証本VOL.1』、『唐沢俊一検証本VOL.2』、『トンデモない「昭和ニッポン怪人伝」の世界』、通販受付中です。タコシェの店頭でも販売しています。
・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」、「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
・1970年代後半に札幌でアニメ関係のサークルに入って活動されていた方は下のメールアドレスまでご連絡をお願いします。
karasawagasepakuri@yahoo.co.jp
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/11/25
- メディア: 単行本
- クリック: 38回
- この商品を含むブログ (185件) を見る
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- 発売日: 1999/04/02
- メディア: DVD
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: ジェフリーディーヴァ,Jeffery Deaver,飛田野裕子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: 唐沢なをき
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/02/23
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
- 作者: 小林まこと,長谷川伸
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/21
- メディア: コミック
- 購入: 7人 クリック: 140回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2010/05/25
- メディア: 雑誌
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 作者: 富田常雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1973
- メディア: 文庫
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: 渡辺航
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2008/07/08
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 252回
- この商品を含むブログ (141件) を見る
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2007/07/25
- メディア: DVD
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
北斗の拳全15巻・全巻セット (北斗の拳) (集英社文庫(コミック版))
- 作者: 原哲夫,武論尊
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 55回
- この商品を含むブログ (23件) を見る