唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

地球はひとつ 割れたらふたつ

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karasawagasepakuri@yahoo.co.jp


 今回は『パチスロ必勝ガイドNEO』7月号に掲載されている唐沢俊一『エンサイスロペディア』第38回科学忍者隊ガッチャマンを取り上げる。

 前にも書いたことがあるかもしれないが、唐沢俊一は70年代までの特撮・アニメ・漫画について、それなりの知識はあるようだ。ただし、あくまで「それなり」なので、やっぱりガセを書いてしまうわけなのだが、それでも80年代以降のネタについてのウスさを考えると、70年代まではまだマシなように思えてきてしまう。…唐沢は80年代以降の特撮・アニメ・マンガについてちゃんと勉強していないんじゃないかなあ。それで「オタクの第一人者」だと思われてたのが凄いけど。
 そういうわけで、今回の『ガッチャマン』も「それなり」にまとまった出来になっているのだが、ふたつだけおかしなところがあるので指摘しておく。

 日本がテレビアニメ大国とされてもう長いことたつ。まるで日本ではずっと昔からアニメがブームだったかのように言われることもあるが、実は1970年代初めには、テレビアニメ界は低迷期に陥り、質の高い作品であっても、なかなか視聴率がとれないでいた。例えば、評価の定まった現在からは信じられないが、1971年に放映された『ルパン三世(第一シーズン)』や、1972年に放映された『海のトリトン』などはいずれも視聴率がふるわず、打ち切りになっていたのである。

 「質の高い作品でも打ち切りになることがある」というのはオタクの基礎知識のひとつだと思うのだが。『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』も打ち切られているわけだからね。そもそも業界の好不調と作品への評価を無理矢理関係づけるのがおかしいのだ。なお、1970年代のテレビアニメをめぐる状況については藤津亮太さんの文章を参照していただきたい。


 もうひとつおかしなところ。
 唐沢俊一は『ガッチャマン』のキャラクターは人間的な魅力に富んでいた、としたうえでこのように書いている。

 こういう、ヒーローものにおける、主人公の背負うドラマ性重視は、やがて日本アニメのお家芸となり、さらにはそれをバットマンやアイアンマンなど、アメリカン・コミックスのヒーローたちに過去を背負わせて映画化することが流行したりした。だが、その本家は日本アニメであり、さらに言えば、SFアニメでドラマ性を初めて前面に押し出したのは、この『科学忍者隊ガッチャマン』なのである。

 『ガッチャマン』が『ダークナイト』や『アイアンマン』に影響を与えていたとは初耳だ。…でも、『バットマン』は1939年、『アイアンマン』は1963年にスタートしているし、映画版は両方とも原作の設定を踏襲しているんじゃないかなあ。映画版『アイアンマン』ではトニー・スタークが負傷した場所がベトナムからアフガンに変わってはいるけど。…唐沢は何か根拠があって話をしているんだろうか。『ガッチャマン』は“Battle of The Planet”というタイトルでアメリカでも放映されていたけど、それだけで影響があったとは言い切れないし。


 それにしても、唐沢俊一は『ガッチャマン』が『ウルトラマン』や『仮面ライダー』などの「変身ヒーローもの」に対抗して作られた、と書いているのに、『ガッチャマン』がスーパー戦隊シリーズに影響を与えたであろうことを書いていないのも気になる。『ガッチャマン』と「変身ヒーローもの」とくれば、鳥人戦隊ジェットマンは当然出てくると思うんだけど。


最初はエンディングだった。しかし今見ても異様にカッコいい。

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