唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

唐沢俊一の理想の晩年?

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 結局毎日更新してしまっているが、まあ、できる時にやっておいた方がいいのかも、と前向きに考える。ネタが無くなったらやめればいいや。

 唐沢俊一の「追討」を読むたびに、「この人はどういう人生なら満足するのかなあ?」と思われて仕方なかった。「才能が枯れて晩年は不幸だった」というパターンが大好きだもんなあ。
 ところが、『Bの墓碑銘』を読んでいると、唐沢俊一が珍しく晩年を褒めているのをいくつか見つけたので紹介してみることにする。
 まず、トニー・ランドールの「追討」より。『Bの墓碑銘』中巻P.29より。

実際のランドールは、77歳の時に15歳年下の二度目の奥さんとの間に初めての子供を作り、さらに1年後にもう一人、子供を作った。死去の報道には“長い病気との戦いの末……”とあるが、それだけ元気だったら、まあいいんじゃないだろうか。

 もうひとつ、ジェームズ・ドゥーハン(ドゥーアン)の「追討」より。P.80より。

艶福家で、三回の結婚歴であり、80で子供を作ったことも話題だった。いい人生であったのではないかと思う。

 …というわけで、「歳をとってから若い奥さんと再婚して子供を作る」のは唐沢俊一にとってプラスの評価ポイントらしい。…わからなくはないけど、いろいろと勘繰りたくなるな。
 さらに、もっとわかりやすいのがアネット・ヴァディムの「追討」。P.111〜112より。

 ロジェ・ヴァディムといえば特異な映像感覚の作品群と共に、自分が愛した女優を主役にして映画を撮る悪癖(?)があるのでも有名である。

ところが、このヴァディムの才能をしても大スターに出来なかった女優がアネット・ヴァディムであった。

しかし、この映画のタイトルシーンで自分の惚れた女性の顔を大アップにして映し、さあ、これで世界の映画ファンよ、俺の恋人を認知しろ!とばかりにがんばっているヴァディムの気持ちを察すると、どうも私は彼を笑えない気がする。男とはそんなもので、そして、女性とはそんな男の気持ちを往々にして受け止めない生き物なのだ。悪意があるわけでもなく、かといって、夫の偉大さがわからない程度の知性の持ち主の場合、ことに。

 …なるほどなあ。唐沢俊一はそういうつもりで女性をプロデュースしていたわけだおぐりゆかとか麻衣夢とか。2007年夏という時期を考えるとこれはおぐりゆかへの怨み節なのかもしれない。…まあ、そんな唐沢俊一を笑ったりするのはかわいそうなのでやめておく。しかし、「夫の偉大さがわからない程度の知性の持ち主」という言い草は女性に失礼だと思うし、「男とはそんなもので」と自分を基準にするのは心の底からやめてほしいと思う。はっきり言って迷惑だ。

 「追討」から唐沢俊一の性格を分析するのはどうなのか?と思われる方もいるかもしれないが、唐沢俊一自身は『Bの墓碑銘』中巻のまえがきでこのように書いている。P.5より。

登載者をB級映画関係者に(主に)限ったのは、あまり普段は触れられないこういう人たちの人生の断片を記すことで、それに惹かれるという、自分を形作っている意外な要素に気がつくかもしれない、という期待を込めてである。少なくとも、この原稿を書いていて、私は、自分自身の心の奥底にある、変身願望や韜晦趣味にいろいろ気付かされた。へえ、と、ほぼ毎項目を書き上げるたびに感心していたものである。

 だから、唐沢俊一の「追討」には本人の内面も反映されているわけなのだ。それにしても「韜晦趣味」か…(詳しくは4月9日の記事を参照)。

 ついでに小ネタではあるが笑ってしまったところ。『Bの墓碑銘』中巻P.8のイングリッド・チューリンの「追討」より。

一度見る機会があればと思っていてまだ未見なのが、ベルイマンの唯一の実験的なホラー映画『狼の時刻』(1968,「Vargtimmen」)である。DVDも出ているようだが、ベルイマン映画を昔、女性と観に行って、こんな退屈な映画を見せられたのは初めて、と帰られた痛い思い出があるので、つい……。

 ドンファン、女性と映画に行くたびにフラれているんじゃないか? (藤岡真さんのブログを参照) イングマル・ベルイマンの映画をデートで観に行くあたり、背伸びしちゃったのかなあ、と思わないでもない。
 …いやいや! もちろん成功したケースもあるはずなので、発見でき次第みなさんにご報告するつもりですよ。ええ。

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