瞳の住民。
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今回から通常の更新に戻ります。とはいうものの、あまり頻繁には更新できないはずですが(今までが更新しすぎという説もある)。夏コミの本も作らないといけないしなあ。とりあえず隔日更新を目標に。
前回の記事に補足。karasawafan@ウィキによると、唐沢俊一は梅田佳声の本を2009年8月まではどうにかして作ろうとしていたようだ。…2006年8月の『読売新聞』で「来月初旬」に出るって言ってたのはなんだったのかと。あと、本について「自伝」と言ったり「評伝」と言ったりして安定していない。どっちなんだ。
本題。
『週刊朝日』2008年4月4日号に「ネット住民が熱く「萌え〜」な人々 上祐史浩氏・石破茂防衛相・志位和夫共産党委員長」という記事が載っている(担当は小宮山明希・岩田智博記者)。タイトルで挙がっている3人がネット上で人気があることについて取り上げているのだが、記事の後半で「コラムニストで評論家の唐沢俊一氏(49)」が登場して分析を披露しているので、以下引用してみる。
コラムニストで評論家の唐沢俊一氏(49)は、こう分析する。
「ネット住民の特徴としては、劣勢に立つ中で必死に戦う人に弱い。たとえば、“オタク”仲間の石破さんが、イージス艦事故で叩かれると擁護する。一生懸命、討論している庶民的な顔の志位さんに萌える。サリン事件のときに、世間に叩かれながら、必死で答弁する上祐さんに、キュンとくる。ネット住民って、現実でうまく立ち回れない人が多いんです。だから、世間から叩かれている人に、シンパシーを感じるんですよ」
ネット上では、人の意見に賛同することで連帯感が生まれると言う唐沢氏。
「ネット住民は、あれだけ人のことを叩いておきながら、不思議と正義感と愛情に飢えているんです」
人気者にはワケがある。
唐沢俊一の分析を取り上げる前に、まず『週刊朝日』の記事そのものにも問題があることを指摘しておく。だいたい「ネット住民」という括りがヘンで、「インターネットを利用している人」をそんなに簡単にひとまとめにできるものなのだろうか。まあ、「男とは」「オタクとは」みたいにデカいくくりで語ってしまうのは魅力的ではあるのだけど、よっぽど気をつけてやらないと危ないと思う(自戒をこめつつ書く)。それに、ネット上で人気のある人がみんな揃って同じ理由で人気を博しているというのは考えにくい。上祐史浩と石破茂と志位和夫に共通点があるかと聞かれても困ってしまう。だから、『週刊朝日』が無茶振りをしている、とも言えるのだが、唐沢俊一はコメントを返しているのだからある意味凄いというか、「断る」という選択肢はなかったものかどうか。
で、唐沢俊一は「劣勢に立つ中で必死に戦う」のが3人の共通した人気の原因だという。
…はっ!! もしかして、唐沢俊一がよそのブログで長々とコメントしていた(詳しくは4月9日の記事を参照)のは「劣勢に立つ中で必死に戦う」姿勢をアピールすることで「ネット住民」から人気を得る狙いがあったのかも。恐るべし、唐沢俊一。
とはいえ、個々の分析はどうもお粗末である。まず、石破茂のくだりで「“オタク”仲間」とあるが、「ネット住民=オタク」という見方は疑問だ。オタクだけがネットを利用しているとでも思っているのだろうか。次に志位和夫について「庶民的な顔」と言っているけど、唐沢は『週刊朝日』でコメントをする3年前(2005年8月)にこのようなことを言っている。『社会派くんがゆく!維新編』(アスペクト)P.371より。
あのさ、さっきの造反議員どもの面構えの悪さと逆で、志位さんの顔というのは完全に百姓ヅラで、“お代官さま、お願えでございますだ”だとかいう顔。共産党の退潮はひとえにこの顔にかかっているな。
こういう言葉が本に載って全国に流通しているかと思うとなんだか凄い。なお、村崎百郎は唐沢のコメントを受けて志位委員長のことを「『カムイ伝』の雑魚キャラ」と評している。
そして、上祐史浩にいたっては、「現在人気がある理由」を分析していないのだから呆れてしまう。サリン事件から何年経ったと思っているのか。馬鹿馬鹿しくてフリップを投げたくなる。
それと「ネット上では、人の意見に賛同することで連帯感が生まれる」というのもヘンな話で、「人の意見に賛同することで連帯感が生まれる」のは現実社会でも変わりのないことなのに、どうして殊更ネットを特別視するようなことを言うのかわからない。
あと、「ネット住民って、現実でうまく立ち回れない人が多いんです」も根拠があっての発言なのか。前の「“オタク”仲間」といい偏見があるように感じられる。
そして、最後の「あれだけ人のことを叩いておきながら、不思議と正義感と愛情に飢えているんです」というのもおかしい。「正義感に飢える」というのが意味不明だし、正義感があるから誰かを「叩く」のではないだろうか。
…唐沢俊一の検証から離れると、『週刊朝日』がネットを正体不明なものとして扱っているのは興味深かった。2008年の時点でも、『週刊朝日』の読者の中でネットを利用しない人の方が少ないんじゃないかなあ。おじさん向けの週刊誌がネットについてズレた取り上げ方をしているのを見るといたたまれない気持ちになるし、ネットに慣れれば、唐沢俊一の現状にも詳しくなると思うので、『週刊朝日』や『週刊新潮』のスタッフにもなんとか頑張って慣れてほしいものだと思う。
逆再生すげぇ。
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