フラーアンニ、と同意。
「フラーアンニ」はウチナーグチ(沖縄の方言)で「馬鹿じゃないの?」という意味。「フラー」=「馬鹿」、「アンニ」=「〜じゃないの?」。
町山智浩さんが唐沢俊一にサリンジャーの「追討文」を書かせないように牽制した時、実は内心「それでも唐沢俊一は書くんだろうなあ」と思っていた。
理由は2つあって、1つ目は「裏モノ日記」の構造的な問題。「裏モノ日記」は唐沢俊一がmixiで書いた日記を業者がサイトにアップする形式をとっているらしいので、町山さんがブログで牽制した時点で既に唐沢は「追討文」を書き終えていたんじゃないか?と思っていたのである。2つ目は唐沢俊一の性格。唐沢俊一という人はトラブルに遭遇すると「攻め」一辺倒になってしまうようなのだ。素直に頭を下げておけば大ごとにならなかったはずのケースでも、尊大な態度を取って事態を悪化させてしまうことがよくある。たとえば、『新・UFO入門』事件の時に『社会派くんがゆく!』の単行本で「漫棚通信」さんを中傷したこととかね。あれで自分は本格的に唐沢問題の検証を始めてしまったわけだし。臆病だと思われたくないばかりに虚勢を張ってしまいかえって臆病であることがバレてしまう、チキンレースの時にブレーキを踏まない人、とでも言うべきか。だから、唐沢俊一はサリンジャーを「追討」するはずだ、と思っていた。
ところが、今日更新された「裏モノ日記」ではサリンジャーの訃報について全く触れられていない。サリンジャーの死が伝えられた1月29日の日記は「日記予定地」となっていて、実にそっけない記述しかされていない。「裏モノ日記」の「日記予定地」はそのまま放置されることが多いので、この日の日記も書き足されることはないのではないだろうか。1月29日以降の日記で有名人が「追討」されていないこと、そして1月28日の日記が素っ飛ばされていることを見ると、町山さんの牽制で動揺したのかなあ?と思ってしまう。
ただ、1月27日の日記では夏夕介を「追討」していて、やはりヘンなことを書いている(トンデモない一行知識の世界も参照)。
代表作でも主役でもないこんな役がなんで印象に残っていたか
というと、その役が実に似合っていたからである。
つまりはこういうヒネクレた役も楽々出来てしまう人だったと
いうことだ。本人自身は極めて明るく、ノリのいい人だったと
いうことだから、全くその本質と異る役を演じていたわけで、
演技派だったのだろう。平成の今なら、影のあるヒーローや
美形の悪役を演じて、若い女性(ママさん)たちに取り巻かれて
いたのではあるまいか。残念ながら、昭和のヒーローにはそのような
影は必要とされなかった。
昭和の特撮にも影のあるヒーローは出てくる。それこそ、夏夕介と『特捜最前線』で共演した藤岡弘が演じた仮面ライダー1号・本郷猛にだって「影」はある。第1話で蛇口をひねろうとして壊してしまい、自分がもう普通の人間ではないと悟るシーン、第41話『マグマ怪人ゴースター桜島大決戦』のラストで本郷がおやっさんたちに別れを告げられないまま見送るシーンを見ればわかることだ(隼人のセリフが泣ける)。まあ、他の例についてはマニアのみなさんにまかせるとしても、だいぶ適当なことを書いているという印象だ。それにしても、どうして「不幸な晩年」にしたがるのかなあ。
他にも「裏モノ日記」から気になる点をいくつか指摘していこう。まず演劇関係のミス。「裏モノ日記」1月25日より。
6時15分、家を出て新宿。ちょっと意外なニヤニヤ事あり。
山手線で日暮里まで。b−倉庫なる劇場で劇団レッド・フェイス
『爾汝の社』観劇。客演で川上史津子さんと鈴木ちえさんという
知り合い二人が出演している。この二人はフリーで、今回の共演は
全くの偶然キャスティング。世間は狭い。劇団界はさらに狭い。
正しくは「d−倉庫」。。ちょっと笑ってしまう。なお、このミスを最初に指摘されたのはナンダロウさんです。
同じく演劇関係のミス。「裏モノ日記」1月18日。
家を出て新中野駅方面に歩く。
ローソンでチケットをとっていた佐藤歩出演の『悪の娘〜戦慄の
ジェミニ』を受け取る期限が今日一杯だったので、近くのローソン
まで行ってとってこよう、と思ったら……何とそのローソンが
無くなっていた。しょうがないから、別のローソンに、と思って
鍋屋横丁を歩くが、ファミリーマートやセブンイレブンはちょこちょこ
見つかるし、デイリーマートまであるのにローソンが見当たらない。
仕方なくバスに乗って新宿まで行き、西新宿のナチュラルローソン
でやっと換券。こんな手間取るとは思わなかった。
昼は母の室でラーメン。塩豚乗せ。
スープが大変にうまく、最後まで飲み干したいほど。
部屋に帰っていろいろ雑用やっているうちにすぐ、出かける時間に
なってしまう。あわてて入浴、ひげ剃りなどして、大急ぎで
家を出る。新宿から山手線で池袋、芸術劇場小ホール前。
別府さやかちゃんと待ち合わせて、佐藤歩が客演しているX-QUEST
公演『悪ノ娘〜残虐のジェミニ』観劇。
正しくは『悪ノ娘〜凄艶のジェミニ〜』。2回もタイトルを間違えている。…こうも立て続けに間違えられたのでは、「唐沢って馬鹿じゃないの?」と聞かれても同意せざるを得ないよ。あと、この舞台はニコニコ動画に投稿されたオリジナル曲を元にしているんだけど、それについては、
動画サイトでヒットしている、中世の架空の国をモチーフにした
楽曲を原作に舞台化する、というアイデアがまず、現代的。
武闘アクション、ダンス、ギャグ、コスチュームプレイ、
アイドル少女、イケメン、メイド、そしてツンデレ王女と、現今の
若い世代の好む要素をテンコ盛りにして二時間の芝居に押し込む
というサービス満点の作りは非常に好みであった。
とのこと。「鏡音リン」って知ってますか?とか聞くのもメンドいな。
2月4日に日本テレビ系列で放映された『おもいッきりDON!』に唐沢俊一が出演してエジソンについてコメントしたらしい。
Q、発明王エジソンの名言。
「発明とは、1%のひらめきと99%の汗」の意味は?
A、・エジソンが談話で語っているが、あれは記者が書き変えたんだと。言いたかったのは"99%の努力しても(原文ママ)、1%ひらめきがないと発明はできない。ひらめきが大事ということ。
(コラムニスト 唐沢俊一先生)
まあ、ウィキペディアに書いてあることそのままなのだが。『おもいッきりDON!』のスタッフは唐沢俊一がお気に入りらしく、2009年12月14日の放送でもノストラダムスについてコメントを求めている。ちなみに、『おもいッきりDON!』の取材の模様が「裏モノ日記」1月30日で書かれているのだが、
1時、部屋で某テレビ局インタビュー。
1時間ほど。
仮仕事場のシチュエーションを絶賛してくれた。
…いや、「いいところですねえ」くらいのことは挨拶代わりに普通に言いそうなものなんだけど。本当に褒め言葉に弱い人だ(もっとも、そのおかげで東大で直接話をした時には対策が練れたのだけど)。
キリがないのでこれで最後にするが、「裏モノ日記」2月2日ではエルンスト・ルビッチの『生きるべきか死ぬべきか』の感想が書かれている。ただし、唐沢は『生きるべきか死すべきか』と誤記している。タイトルを覚えられない呪いか?
ヒロインのキャロル・ロンバード(クラーク・ゲイブルの妻。この映画
の撮影終了直後に飛行機事故で死亡)が演じるマリアが名女優かつ
不倫癖がある人妻、という不道徳きわまりない設定にしびれる。
映画が知的娯楽作品であり、安っぽいモラルを云々しなかった時代の設定。
ここはちょっと意味がわからない。『生きるべきか死ぬべきか』は1942年公開の映画だが、その時代の映画がモラルに縛られていなかったとでもいうのだろうか。それにひきかえ今の映画は、と。しかし、性描写にしろ暴力描写にしろ今の映画の方が昔に比べて縛りはかなり緩くなっているのではないだろうか。「不倫癖のある人妻」が「不道徳きわまりない」なら、トッド・ソロンズ『ハピネス』の「ペドフィリアの父親」なんかどうなるんだって感じだ。だいだい、唐沢俊一は1942年にはまだ生まれてなかったのだし、懐古趣味だとしてもヘンな話である。なお、参考として「物議を醸した映画25本」も紹介しておこう。
このほかにも、「本を入れたダンボール箱をベランダに放置するのはどうなのよ?」とか鶴岡法斎氏の話とか、話題がまだまだ尽きないのが唐沢俊一のおそろしくもおもしろいところである。
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・初めての方は「唐沢俊一まとめwiki」、「唐沢俊一P&G博覧会」をごらんになることをおすすめします。
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