唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

プロかねぇ。

紅雀の丹ファン。


 唐沢俊一「裏モノ日記」10月12日江畑謙介の訃報を取り上げている。

ベッドで携帯のニュースを見てたら江畑謙介氏、10日に
死去との報。まだ60歳。
10日、呼吸不全のために死去。享年60。

 なぜ享年を2度書いているのかと思ったら、産経ニュースをコピペしたようだ。

江畑謙介氏(えばた・けんすけ=軍事評論家)10日、呼吸不全のため死去、60歳。

湾岸戦争で一番印象に残っているのはパトリオットでも
スカッドAでもなく、それらの解説を行う彼の髪形だった。
民放がそればかり話題にするのに激怒してNHK以外の局には
出演しなくなったという噂があるが、実際、あの髪形は
どこの店でヘアカットしているのか、どうしても知りたくなって
しまうのが、まさに湾岸戦争
「映像時代の戦争」
と彼が分析したように、映像時代というものの恐さなのだろう。
兵器の性能と運用の熟知から来る彼の戦争分析はお見事の一言で、
これくらい外見でソンをしている人はいなかった。

 江畑謙介の分析がどのように見事だったのか唐沢に説明してほしいところではあるが、ウィキペディア「要出典」とされている話を取り上げるのはどうなのか。「噂」と書いておけばいいのだろうか。江畑謙介が外見で損しているのなら、唐沢俊一だって損しているんじゃないかなあ。知り合いの女の子たちが唐沢の写真を見た時のリアクションを考えてもそう思う。どのようなリアクションだったかを具体的に書くのは気の毒なのでやめておく。
 

しかし、実生活にはあの髪形も何等影響を及ぼさなかったようで、
それまで一介の軍事オタクとして“当然“独身のまま、女性との
つきあいもなく(そう当時雑誌に紹介されていた)世界の兵器や
軍事情勢研究にいそしんでいた彼が、湾岸戦争報道で一躍スターに
なった翌年の92年に15歳(だったか)年下の女性と結婚。
夫人は軍女(軍事オタク女子)だそうで、趣味が呼び合う
縁だったようだ。そのアツアツぶりは有名で、
「ゆみちゃん」「センセイ!」
と呼び合って周囲をアテまくっていたとか。

 髪型にしか興味がないのか、とウンザリしてしまうが、このくだりは「吹浦忠正(ユーラシア21研究所理事長)の新・徒然草」から持ってきたエピソードである。

先日、モスクワにごいっしょした江畑謙介さん(軍事評論家)は、結婚14年目だが、まるで新婚のようなおアツアツぶり。互いに夫は妻を「ゆみちゃん」と呼び、妻は夫をなんと「先生」と呼ぶのです。裕美子夫人は、夫に「勝るとも劣らない」と言わせる、軍事問題の専門家。まさに「ゆみちゃん」あっての「先生」なんです。何でも「質問状をいろいろ出しているうち結婚することになっちゃった」のだそうです。人生、一瞬先は明るいこともあるんですね。

 「軍事問題の専門家」を「軍女(軍事オタク女子)」としてしまうのは乱暴だ。そもそも「軍女」という呼び方があるのかなあ。冬目景『ACONY』(講談社)に牧野美里という軍事オタク(ミリタリーオタク)の女の子(だから名前が「みり」)が出てくるのを冬目ファンとして思わず連想。

奥様がさぞ、お嘆きのことだろうが、嘆きは私たちも同じである。
北をめぐる状況、世間がアフガニスタンにどんどこ軍を送っている
大統領にノーベル平和賞を送るというボケぶりを見せているなか、
彼の分析力がいまこそ求められているところだった。
哀惜の念を込めて黙祷を捧げたい。

 「世間が」が頭についているせいで変な文章になっている。オバマ政権内でもアフガニスタンへ軍を追加で増派するかをめぐって意見が分かれている(産経ニュースを参照)ので「どんどこ軍を送っている」というのは疑問(ノーベル平和賞を受賞したので増派をやりづらくなるという見方もあるようだ)。それにこの文章だと、唐沢俊一は米軍がアフガニスタンで作戦活動しているのを平和に反するものだと考えているようだが、そう単純に考えていいものなのだろうか。自衛隊がインド洋で活動しているのもNGなのかなあ。
 
 以前にも書いたことがあるが、故人のことをよく知らないのなら訃報を取り上げない方がいい。江畑謙介の髪型には興味があるんだろうけど。まあ、今回は唐沢より首藤信彦の方が鬼畜なのだが。


 同じ日の日記には、

根を詰めて仕事したので、夕方になった、少し横になって休む。
たまたま手にとった半藤一利『決定版・日本のいちばん長い日』
読んだら止まらなくなる。大学生の頃、古本屋で買った、まだ
大宅壮一編になっていたこの文庫版、むさ苦しい下宿で興奮しながら
一気呵成に三回、読み返したのを思いだす。

とあるが、「一気呵成」というのは、仕事をやりとげる時に使われる言葉なので、本を読むときには使わない言葉なのではないか。


 さらに。「裏モノ日記」10月11日より。

入浴、日記つけ、原稿など。
あわただしく用意して、1時、新宿へ。小田急でお茶のセットを
買い、手土産代わりにする。小田急線急行で成城学園前
駅が1,2年来ないうちに改装されて、ちょっととまどう。
駅前の喫茶『アルプス』、いかにも成城の高級喫茶という
感じなのは変わらず。早めに入って、インタビュー案を練って
いたら梶田興治監督が来られ、久闊を辞す。
奥様を亡くされたそうだが、耳が多少お悪くなっていらっしゃる
他はお元気で、スタイリストなことも変わらず。

 「スタイリスト」というのは「おしゃれな人」という意味で使っているのかもしれないが、「久闊を辞す」は明らかに誤用。正しくは「久闊を叙する」。「挨拶した」でいいのに。なお、「裏モノ日記」を検索してみたところ、唐沢俊一は久闊を辞したり叙したりしている。…うろ覚えで使っているんだなあ。
 わざわざ難しい言葉を使ったうえでの誤用というのは一番みっともないので、よい子のみんなはマネしないように。


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