唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

許されざる者。

東京を離れても更新。


「裏モノ日記」2002年8月27日

夕刊を読む。昨日脚本家(ディーン・ライズナー)の死が報じられた『ダーティ・ハリー』の、今度は配給会社ワーナーの会長、テッド・アシュレーが死去。経営難に陥ったワーナー・ブラザーズ再建に取り組み、ダーティハリーシリーズをはじめ『時計仕掛けのオレンジ』『スター誕生』『エクソシスト』『スーパーマン』等をヒットさせ、見事成功させた映画界の功労者。……この時代はまだ、ヒット作と傑作が(まあ、『スーパーマン』はともかく)シンクロしていたのだな、と思う。『エクソシスト』なんて公開当時は大ゲテ扱いされていたが、改めてみると文芸映画なみの質の高さをさすがフリードキン、維持していたことがよくわかる。……ところで、私はダーティハリーを、と、いうかイーストウッドの映画を、『ダーティハリー3』以降、一本も観ていないのだった。もちろん、『マディソン群の橋』も『スペース・カウボーイ』も観てない。まだ学生時代に『ダーティハリー3』を観て、あんなにけなげで可愛いタイン・デイリーをラストで殺しやがったことに腹を立て、“もう、こんなヤツの映画なんか二度と観るもんか”と、心に誓ったのであった。

 そんな理由で観なくなったとは…。泣けるぜ。
 『ダーティーハリー3』は1976年公開だから、唐沢俊一は高校生の時からイーストウッドの映画を観ていないことになるわけだ。『アルカトラズからの脱出』(1979年)も観てないのかあ。アルカトラズとも遠からず。…ググったところ意外にもヒットしなかったのでなんとなく。そして、『許されざる者』も『ミリオンダラー・ベイビー』も『グラン・トリノ』も観ていないのか。…もったいない。出演作品だけでなく監督作品も観ていないとなるとさらに取りこぼしていることになるけど。そういえば、大学時代の恩師に『ブラッド・ワーク』のあらすじを何故か2回も聞かれたことがあったけど、あれは自分の記憶力をチェックしていたのかなあ。
 しかし、『ダーティーハリー3』でタイン・デイリー演じるケイト・ムーア刑事を殺すのは、敵のボスであるボビー・マックスウェルなのだから、どうしてイーストウッドのせいになるのかよくわからない。ちなみに、この記事を書くにあたって『ダーティーハリー3』を観直して「バズーカ砲すごいなあ」と思ったりしたのだが、『グラン・トリノ』との関係を考えるとなかなか面白かった。やはりウォルト・コワルスキーは年老いたハリー・キャラハンなのだろうか。

 自分は正義感だけで行動しているわけではないし、お説教をするつもりもないのだが、それでもこのことからはひとつの教訓を学ぶことができると思う。それは「つまらない理由をつけて物事を避けていると素晴らしいものと出会うチャンスを逃がしてしまう」ということだ。もちろん、自分自身も気をつけたいところだけどね。若者を毛嫌いしていたコワルスキーがタオを見て「ああいう子もいる」と思ったように、見方を変えればいいことが待っているかも知れないよ。


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