唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

明日のナーザ。

山本弘会長はローズマリーのファン。


 「裏モノ日記」6月30日より。

マイミクさんの日記に『ナーザの大暴れ』(1979)のことが
書かれていて、
「今見るとちっとも面白くない」
と書いてあって笑う。これは共感の笑いで、ネットで若い人たち
この作品を絶賛しているのがどうもわからない。いや、“今見ると”
というより、79年当時、アニドウが大々的にこの作品を持ち上げて、
吾妻ひでお氏や高橋留美子氏などに見せて褒め上げさせていた時から
「そんなに面白いかあ?」
と腑に落ちず(日本のアニメとの彼我の差を比べるという意味では
面白いが)、『ナーザはそんなに傑作か』という一文を書いて
『フィルム1/24』に投書したのを思い出した(あれは載ったん
だったっけ)。
歴史的に見れば、『鉄扇公主』などを作っていた上海美術電影が
主要スタッフを文革で追放され(追放の理由が“怪力乱神ばかり
語っている”だったそうだ。子供向けアニメなんだからそりゃ、
と言っても通じない連中だった)壊滅状態におちいっていたのが
やっと復興し、カラーワイドスクリーン作品を作れるまでに至った、
という意味で非常に興味深い作品ではあるのだが。

 このようにあるのだが、唐沢俊一は『ぴあ』投稿欄でのいわゆる「ガンダム論争」において次のような文章を書いている(詳しくは2008年11月22日の記事を参照)。

 鴨打さん、あなたは僕や福島さんが“見もしないで”すばらしいアニメの芽を摘み取っている―とおっしゃいますが、逆に質問させていただきます。あなたはTVの巨大ロボット・アニメ以外にSFアニメをどれ程御覧になっていらっしゃいますか。「ナーダの大冒険」を「イエロー・サブマリン」を「ウィザース」を「ファンタスティック・プラネット」を「未来少年コナン」を「やぶにらみの暴君」を「わんぱく王子の大蛇退治」をあなた、御覧になりましたか。そして、これらを見終わった後にまだ“ガンダムはやはりすばらしい”とおっしゃることが出来るでしょうか。

 「ナーダの大冒険」は原文通り。見ての通り、ガンダム』より優れたアニメのラインナップの中に『ナーザの大あばれ』を入れている。「そんなに面白いかあ?」と思っていたならどうして例として挙げているんだろう。『ガンダム』よりはマシってことか? …それにしても、上の文章は何度読んでも、相手を参らせようとして知識の量を誇示しているのが露骨過ぎてイタい。
 なお、『鉄扇公主』は新華影業公司で製作され、1941年に公開されている。
 『ナーザの大あばれ』については翌日の7月1日の日記にも記述がある。

昨日の日記に『ナーザの大暴れ』はつまらない、と書いたら、
反論を日記に書かれたマイミクの方がいた。
いや、申し訳ありません、アニドウ当時から大のヘソ曲がり人間で
あったのです。とはいえ、バヤヤ王子やアレクセイエフ作品のように、
全くわれわれの周囲にあるアニメーションとは異る系譜に属する
作品ではなく、目指すところが日本のアニメと極めて近い故に
その技術の未熟さや、日中の感覚の差異が如実にわかる部分が多々、
あったので、そこにどうしても引っかかってしまうのですね。
龍の描写(ドジョウみたい)だとか、ナーザの自殺シーンだとか、
露骨な台詞説明とか、今見ても“ちょっとなあ”なんであります。

 結局のところ、アニドウの中で『ナーザ』が持ち上げられていることが、そして、アニメファンが『ガンダム』に熱狂しているのが気に食わなくてその逆を行っているわけだ。「ヘソ曲がり人間」でもかまわないが、批判をするなら反対の意見を持っている人間をも唸らすような主張をしてもらいたいものだ。少なくとも「ガンダム論争」での唐沢の主張は見るに耐えない代物でしかない。…とはいえ、世間で評価されているものを批判しているだけで「なかなか見識があるんじゃないか?」とカンチガイして褒める人々って結構いるからなあ。で、批判している人間はますますカンチガイしていくわけで。批判すればいいってものじゃなくて批判の中身こそを考えなければいけないと思うんだけどね。

もうひとつ、細かいところで。

夢、2つ。
一本はアニメの夢。『ジャングル黒べえ』よりさらにひどい
人食い人種もので、ジャングルに住む主人公(人食い人種)が
ガールフレンドの女の子(日本人)に、
「オカアサン、キテイタダキタイ」
と言うので、主人公の家(ジャングルの)にお母さんを呼ぶと、
食べられてしまう。主人公は最初からお母さんが食べたくて
「来て、いただきたい」
と言ったのだった。女の子は当然怒るが、
「もう、ほんっとにー」
程度の怒り方だった。

 『ジャングル黒べえ』の黒べえって人食い人種だったっけ。『藤子・F・不二雄全集』での復活はおめでたい限り。ウラウラベッカンコー!


 ついで。

食べて自室に帰り入浴、10時半に急いで家を出て、病院。
今日は眼科の診断。入院した際に全臓器不全みたいな状態で糖も
かなり出ていたので、網膜の検査をしなさいと言われた。
その時の検査では“きれいなもの”だったのでホッとしたが、
継続して検査受けることにしたもの。
待合室で資料本読みながら待つが、アトロピン点眼で瞳孔を
開かせているのでちょっと読書が大変。

 やっぱり糖尿病なのかなあ。健康には気をつけて欲しい。


 また、唐沢俊一志水一夫が亡くなったことについて追悼のコメントを書いている。

「たとえばUFOが好きな子供が僕の本を買って読んで、家に置いて
おいたらお父さんがたまたまそれを読んで、“ほう、UFOって
ものも案外面白い”と思ってもらえるよう原稿を書く」
と以前聞いて、ああ、これは開拓者の言葉だ、と思ったものでした。
記事に多少の誇張や偏頗な記述はあっても、まず、世間の目を
引かないと、そもそもこういう分野の本が出なくなる。
志水氏の発言には常にそのような意識があったように思います。
ジャンルが確立し、成熟してから参入し、そのような事象に
ついて語ることが当然のように思っている人たちには、
志水さんの文章は枝葉末節の部分が多過ぎて読みにくいと
思われたかもしれません。
しかし、ジャンルの草創期において、このように多方面に
フックを作っておくことは極めて必要なことだったのですね。

 追悼の言葉を深読みしたくはないのだが、どうも唐沢俊一自己弁護を図っているような気がしてならない。そもそも志水一夫は本当にそのような趣旨の発言をしていたのだろうか。たとえ、「世間の目を引く」ことが「ジャンルの草創期」には必要であったとしても、ジャンルが成熟していく過程においては、そのような手法を検証したうえで乗り越えていかなくてはならないのではないかとも思う。

 
 次回は再び『博覧強記の仕事術』の検証に戻る予定。毒電波フリークのみなさんはお楽しみに。

※追記 半農半漁人さんのご指摘に基づき追記しておきました。

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UFOの嘘

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