唐沢俊一が『まんが極道』の書評をしていた。
本日発売の『週刊現代』5月30日号で、唐沢俊一が唐沢なをき『まんが極道』(エンターブレイン)の書評をしていた。
とり・みきのマンガに「イタイ話」というのがある。寝惚けて歯ブラシとまちがえてカミソリで口の中をゴシゴシした、というような、神経にさわる話を集めたものだが、同じように痛く、神経にさわる話ではあっても、唐沢なをき『まんが極道』①〜③(エンターブレイン、各693円)の読後のイタさに比べれば、天と地ほどの差がある。『まんが極道』には、マンガ業界にいる者(その業界を目指す者)にとり、その存在の根本に横たわる、誰もが目をそらそうとしている腐敗臭ただよう現実を、鼻先に無理矢理押し付けられるような読後感がある。
単なる業界裏話マンガと違うのは、出てくるキャラクター全てにモデルがいることを予想させ、しかも、それが誰だろうという予想はめぐりめぐって、マンガを読んでいる自分に戻ってくる、という現象が起きることである。要するに、この作品に登場する救いのない、徹底して人間性が崩壊し、なおかつマンガというものの魔力から逃れられないでいる登場人物たちは、マンガ業界人という枠を超えた、人間性そのものの戯画化なのである。
ある意味この作品の出現をもって、マンガ業界は真の成熟を迎えたということが言えるだろう。
他人事みたいな書き方だなあ。『パクリ!!』と『トレース!!』についてちゃんと触れればいいのに(詳しくは2008年9月8日と4月27日の記事を参照)。そして、ちゃんとその感想も書くといい。兄の盗用事件をキッチリとネタにする弟はギャグ漫画家の鑑だ、と書けば読者も興味をそそられるだろうに。具体的な中身に触れること無くあーだこーだ言われてもねえ。唐沢俊一自身の現実は「腐敗臭ただよう現実」なんだろうか。
気になるのは、『まんが極道』について書評することになったのは『週刊現代』側の意向なのか唐沢の意向なのか、ということである。『現代』が指定していたとしたら壮大な嫌がらせということだが、唐沢が自分からチョイスしている可能性もある。前にも書いたが、この人は自分からおのれの欠点をアピールする癖があるから。そうすることで「自分は大丈夫ですから!傷ついてませんよ!」と言いたいわけだ。ただ、『社会派くんがゆく!』でもそうだったが(詳しくは5月15日の記事を参照)、この人は自分の欠点を晒しながらも、まだどこかでカッコつけようとしているから余計にカッコ悪くなってしまっている。そのみっともなさにいい加減気づいて欲しい。見ているこっちがいたたまれないよ。
まあ、『まんが極道』について見て見ぬフリをする輩(唐沢俊一とか村崎百郎)は、遠からず再び『まんが極道』の餌食になると思うんだけどね。弟にネタにされ続ける無間地獄はまだ始まったばかり、なのかも(唐沢なをき夫人によれば「盗用シリーズ」第3弾をやるようだし)。早く悔い改めたほうがいいよ。
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