唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

あぁルナはわしが育てた。

 今回は前回の補足に加えて別個のネタをやります。「オタアミ鼎談」の紹介のつづきは次回になることをお断りしておきます。


前回の記事で紹介した「オタアミ鼎談」の中で、唐沢俊一がゲスト(プロデューサー?)としてたびたび参加している「劇団あぁルナティックシアター」について「私も劇団とかやってるけど」「うちの劇団」と言っていたのだが、コメント欄や唐沢俊一スレッド@2ちゃんねる一般書籍板ではかなりの反響があった。「お前の劇団じゃないだろう」「「消防署の方から来ました」みたいだ」「うちはうちは詐欺」などと言われ放題であった。
 個人的には社長や監督でなくても「うちの会社」「うちのチーム」とか言うと思うので「うちの劇団」は一応大丈夫か?とは思うのだが、「劇団とかやってる」はちょっと…。それに唐沢俊一『BS熱中夜話』松嶋初音と共演したことについて『オタクアミーゴスの逆襲』(楽工社)P.38でこのように言っている。

こないだ松嶋初音というアイドルがうちの番組のゲストに出てくれて(以下略)

唐沢俊一は『BS熱中夜話』の「ヒーローソング」と「マニアック映画」の回にゲストとして出演しただけだと思うんだが。「マニアック映画」の回では監修をやったようだけど、司会をやったわけでもないし。仲良しの弓削哲矢ディレクターが作っている番組だから「うちの番組」になっちゃうんだろうか。…怖い発想だなあ。唐沢にとっては『星を喰った男』も「うちの本」で、「札幌のアニソンサークル」も「うちのサークル」なんだろうなあ(詳しくは当ブログの2008年12月26日の記事「トンデモない一行知識の世界2」を参照)。盗用癖もこのような精神構造に由来するものなのかもしれない。
 ついでに書いておくと『オタクアミーゴスの逆襲』の中で唐沢俊一言うところの「うちの劇団の看板女優」こと乾恭子がこのような文章を書いていたので笑ってしまった。

そうそう、唐沢先生は役者じゃなのに原文ママ)NGもなく
ほとんど一発OK。

ただもんじゃないですよ。あの先生(笑)

唐沢俊一「裏モノ日記」

タクシーの中で、ハッシーに
「オレは芝居を書きたいわけでも演出をしたいわけでも、まして
自分の劇団を持ちたいわけでもない。ただ、舞台で芝居を演じたい
だけなんだよ

と言って呆れられる。

と熱く語っていたのだが、イヌキョンは唐沢を役者だと思っていなかったという。気の毒な話だ。


・『オタクアミーゴスの逆襲』と同じ日に『と学会年鑑KIMIDORI』(楽工社)も発売されたのだが、この本の中で興味深い記述がある。岡田斗司夫『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)がトンデモ本として取り上げられているのだ。紹介しているのは本郷ゆき緒女史。

 いや皆さん、たしかに著者の岡田斗司夫さんは、われわれの仲間、と学会会員でございます。しかし、トンデモに対しては身内だろうと親兄弟だろうと遠慮してはいけません(会場笑)。内部だからこそ告発する勇気といいますか(会場笑)。

素晴らしい!まったくもってその通り。この発表の時点では岡田氏はまだ「と学会」の会員だったのだから、「と学会」会員の本でも「トンデモ本」として紹介できるということになる。…それだったら、唐沢俊一の本を取り上げない理由はないよね? 
 本郷女史は「岡田さんはウソツキなんかじゃありません。ホラ吹きなだけです」とジョークを交えて紹介している。そのせいなのか、岡田氏と「いいめもダイエット」とのトラブルは紹介していない。ただ、本郷女史が指摘している「精神論でないと言いながら結局精神論になっている」「レコーディング・ダイエットが一部の人にしか効かないことを本の半分近くになってやっと説明する」という部分を読むと「ウソ」じゃなく「ホラ」だとしてもけっこう悪質なのでは?と思わざるを得ない。まあ、「トンデモ本」の紹介は笑えるようにしなきゃいけないのかも知れないが、やっぱり身内だから甘いのかもなあとも思ってしまう。
 なお、『と学会年鑑KIMIDORI』には岡田斗司夫が「と学会」をやめた経緯についても脚注で説明されている。P.57より。

 この発表がされた時点では会員としての籍があったが、2008年5月21日をもって会費未納による退会処分となっている。実際にはその数年前から例会には欠席が多くメーリングリストでの発言なども途絶えており、会員の間には処分という重いニュアンスはなく、いわゆる「卒業」といった感覚が強い。

…まあ、これは深読みしないでおこうっと。
 
 それから、山本弘会長の「まえがき」がいちいち味わい深いので紹介しておこう。P.4〜5より。

 珍説や奇説を信奉する、いわゆる「トンデモさん」の中には、自分が無知であることを自覚していない人や、無知であることを恥じない人が多い。

彼らはデータや数字を軽視する一方、自分の直感や思いつきや見た目の印象に絶大な自身を持っている。

 彼らの多くは、自分が豊富な知識を持ち、頭が良く、間違いなど犯さないと思いこんでいる。「天才かも」と自画自賛する者もいる。

 大切なのは謙虚さではないだろうか。人は誰でも(僕もあなたも)、世界のことを1万分の1も知らないのだ。自分の専門外の話題について何か考えた場合、その考えはかなり高い確率で間違っているのだ。

 逆説的だが、自分が無知であり、しばしば間違いを犯す存在だと自覚することこそ、間違いを犯さないための第一歩ではないだろうか。

…毎度のことながら、山本会長の「トンデモさん」批判が唐沢俊一に対していちいちあてはまることに感心させられる。それと同時にどうして「トンデモさん」である唐沢俊一の所業をスルーしているのか理解に苦しむ。岡田斗司夫をネタにできるのなら唐沢俊一だってネタにできるはずだけどなあ。スルーしたままだと「岡田氏が退会したからネタにしたんじゃないか?」とあらぬ誤解を招くことになると思うのだが。もう一度本郷女史の言葉を引用しておこう。

 いや皆さん、たしかに著者の岡田斗司夫さんは、われわれの仲間、と学会会員でございます。しかし、トンデモに対しては身内だろうと親兄弟だろうと遠慮してはいけません(会場笑)。内部だからこそ告発する勇気といいますか(会場笑)。

会長もこのように考えていると信じたい。

星野流

星野流

オタクアミーゴスの逆襲

オタクアミーゴスの逆襲

と学会年鑑KIMIDORI

と学会年鑑KIMIDORI

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)