せんとくんもビックリ。
今日は記事を書かないつもりでいたが、次の記事のために本をパラパラめくっていたらウッカリとネタを見つけてしまったので書いておく。…適当に読んでいてもガセを見つけられるんだから本当に凄い。
唐沢俊一『キッチュワールド案内』(早川書房)P.103〜104より。
もっとも、これだけの大事業を完成させた朝廷は、この大仏開眼のわずか二十三年後に、青丹よしと歌われた(ちなみに青丹とは水銀を含んだ土のことである)奈良を捨てて、平安京へと遷都を行う。
小学校の社会科のおさらいをしてみよう。東大寺の大仏開眼は752年である。そして、平安京への遷都は794年…なのだが、その前に784年に平城京から長岡京へ遷都していることも常識だろう。唐沢俊一の書き方だと平城京から直接平安京に遷都したみたいだが。…まさか。
いずれにしても平城京からの遷都が「大仏開眼のわずか二十三年後」というのは間違いであるが、どうしてこんな間違いが起こったのか想像すると、実は開眼の儀式の時点で大仏は完成しておらず、完成したのは771年なのである。771年の23年後は794年だから、おそらく「開眼」と「完成」を取り違えてしまったということなのだろう。
なお、上の文章の「青丹」についての説明もガセなので、「トンデモない一行知識の世界OLD」を参照してほしい。
- 作者: 唐沢俊一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/12
- メディア: 単行本
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