唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

書を捨てよ、でも何処へ出よう?

「裏モノ日記」1月24日より。

終って物販。同人誌を買ってくれた女性が
「今日初めて顔も名前も知りましたが、こんなカッコいい人だとは」
と言ってくれる。
さんざテレビとかに出たつもりだったが、まだ顔も名前も知られて
いないという知名度のなさを悲しむべきか、カッコいいと妙齢の
美女に言われたことを喜ぶべきか。

 唐沢俊一スレッド@2ちゃんねる一般書籍板では、「こんなカッコいい人だとは」と言うからには、前々から唐沢俊一のことを知っていなくてはいけないはずなのに、この女性が「今日初めて顔も名前も知りました」と言っているのがおかしいと盛りあがっていた。この女性は有名人なら誰でもいいってタイプなんだろうか。「有名人だって!すごーい!…ところで、あの人って何をやってる人なの?」という感じなのか?たぶん、唐沢俊一の書き方がマズいんだと思うが…。
 それにしても、唐沢俊一って本当に他人から褒められることに弱い。自分が東大で話をすることができたのも「『トンデモ事件簿』を買わせていただきました」と言ったからなのかも(詳しくは2008年10月23日の記事を参照)。今まで褒められたことがまるでなかったのか、自己評価があまりに高すぎて「世間はもっと唐沢俊一の素晴らしさを知るべきだ!」と思っているからなのか。この性格が盗作事件を起こし、発覚した後に最悪の対応をとった原因なんだろうなあ。…なお、奇遇な話だが、「唐沢俊一検証blog」の中の人も先日女性から容姿を褒められている。一緒に仕事をしていた女性に帰り際に「イタリアの好男子みたいですね」と言われたのだ。「こうだんし」って一体…。しかもイタリア。聞き慣れない言葉で褒められたせいで逆に困惑してしまった。「俺はルドルフ・ヴァレンチノか?」とタイトなジーンズにねじこみながら家路についたものだ。…話を総合すると、唐沢俊一検証blog」は検証する方もされる方もイケメンである、ということになるのであろうか(たぶん違う)。

 『社会派くんがゆく!』最新号より気になったところをいくつか。

唐沢 でもさ、オレの書庫にもよくテレビの取材が入ってクルーから「すごいですねえ」みたいなことを言われるんだけど、よく考えたら「これだけムダな本を集めまくっている変人がここにいますよ、みなさん」と視聴者に向かって言われているのと同じなんだよね(笑)。最近、自分も自分で、「これだけムダな本を集めている自分は、そんじょそこらの本マニアとは違うんだぞ」という自尊心のために本集めしているような気になってきたので、引越しを機に思い切って蔵書をまとめて整理することにしたんだけど。

唐沢 こうなるとゴミ屋敷のバアさんと同じで、本をたくさん持っている自分に世間が注目してほしいという目的だけで買い集めているようなもんだよね。だからまとめて整理を始めたんだけど、持っている価値があると思われる本だけ残しても十数棚ぐらいあるから、全然片付かないんだよね。また整理の最中で見つけた古い本をぱらぱらめくっているだけでも楽しくて楽しくて(笑)、この作業の繰り返しだけで、オレの老後の楽しみは確保できたんじゃないかと思うくらい。

…「他人から評価されたい」という動機で本を蒐集する人がいたことに驚いた。「本が好きだから」集めていたわけじゃないのか。まあ、古本のマニアにもいろいろいるだろうから、中にはそういう人もいるのかもしれないが。唐沢俊一って本当に他人の評価を気にする人なんだなあ。しかし、ゴミ屋敷の住人って注目されたくてゴミを集めているのだろうか。彼らは他人から干渉されるのを嫌がっているようにも見えるのだが。いずれにしても、かつて『古本マニア雑学ノート』という本を書いた唐沢俊一が「古本マニア」から降りる格好になっているのは確かである。「マニア」ってやめようと思ってやめられるものじゃないと思うけどなあ。唐沢の口ぶりから「いつまでもバカやってられないしな」とヤンキーが一般人に戻るのと似た雰囲気が感じられるのが興味深い。しかし、唐沢俊一は「古本マニア」から降りてどうするつもりなんだろう?むしろ、もっと濃くなっていかなきゃいけないんじゃないかな?蔵書を処分する前から慢性的なネタ不足使い回しが多発していたんだから。2万冊も本を持っていればネタはいくらでもありそうなものなのに、どうしてネタを使いまわすのかさっぱりわからない。それから、唐沢俊一が名を挙げたのは面白い古本をいろいろ発掘してきたためなのだが、結局のところ「本の中身をそのまま紹介する」というスタイルでやっていたわけで、それをネット上のネタを紹介する場合でもそのままやってしまったことが、現在の惨状を招いているのではないか?と思われてならない。ちなみに、唐沢は「本の中身をそのまま紹介する」というのを今でもよくやっていて、『ラジオライフ』3月号の『唐沢俊一古今東西トンデモ事件簿』は参考文献に挙げられている本の内容をそのまま紹介しているだけである藤岡真さんが1月27日の「机上の彷徨」でツッコミを入れておられるのでリンク集から参照して欲しいが、自分は一読して唐沢がおっかなびっくりで書いているのがありありと感じられていたたまれない気分になってしまった。本の中身をそのまま紹介すればガセを書くおそれは少なくなるけど、文章としては死んでしまうのではないか。…そこまでして連載を続ける意味ってあるんだろうか?

唐沢 裸にしたのも、この子を黙らせるために水風呂に漬けたってだけでしょ。動機も「“帰れ”と言ったのに帰らなかったので、腹が立った」からだっていうから偶発的なものかと思ったら、後になって「話をしたくて、ムリヤリ家に連れてきた」とか供述を変えている。

 千葉の少女殺害事件(2008年10月13日の記事も参照)について語っている箇所だが、容疑者が供述を変えているのではなく、供述が誘導されている可能性があるとは考えないのだろうか。特にこの事件の容疑者(被告)は知的障害があるため、取調べの過程で「誘導」が行われる可能性が通常の事件よりも高いと考えられるので、警察が発表している供述の内容を鵜呑みにするのはやめておいたほうがいい。ただ、取調べというのは容疑者の供述を整理して事実関係を明らかにする作業なので(自分の犯行を理路整然と供述できる容疑者はなかなかいない)、「誘導」は必ずしも批判されるべきことではないのだが。

村崎 (前略)あと、これはニュータイプの犯罪だと思って感心して注目した事件が一つあって、大阪の熊取町で四年前に女の子が行方不明になった事件で家族が情報提供者に二百万円の謝礼金を出すと公言していたことにつけこんで、捜査費用の名目でちまちま大金を騙し取って、四年間で一億円以上もブン取った男女が逮捕されているんだよ(★9)。

唐沢 払うほうも払うほうだけど、子供恋しさの親心につけこんだわけね。

村崎 これは地味なようだけどものすごく巧妙でひでえ犯罪だよ。犯罪のジャンルとしては“寄生犯罪”っていうか、別の誰かが起こした犯罪に便乗して企てられた犯罪なわけだよな。何が凄いって、結果だけ見たら(殺人の可能性もある)営利誘拐で被害者から1億円以上強奪したのと変わらない被害を与えたのに、捕まっても問われるのは詐欺罪だけってとこな。

村崎 でもそれも、誘拐なのか“神隠し”なのか、あるいは単なる家出なのかいまだに判然としていないし、元の事件そのものが曖昧なものだったんだよね。それに“身代金誘拐”とまったく同じレベルの苦痛を、この男女は被害者家族に与えちゃったわけだ。こいつらに言いつけられた金を用意するために、土地まで売ったらしいよ、子供の両親は。

唐沢 愚かといえば愚かなんだけど、子供のことを考えると、親として藁にもすがりたい感じなんだろうね。さっきの振り込め詐欺の話題じゃないけど、親なればこその愚かさだ。ノーベル賞みたいな、人間の賢さに与える賞ばかりじゃなく、こういう、尊い愚かさにも賞を与えるべきじゃないかな。

 行方不明の子供をなんとしてでも捜したいという親を「愚か」と言うとは唐沢俊一はとても賢いんだなあと感心。「ノーベル盗用賞」か「ノーベル間違い賞」があったら唐沢俊一にあげたいよ。「IWGP王座」のベルトを作って夏コミであげようかな。「IWGP」は「痛い・わけがわからない・ガセ・パクリ」の略。それにしても、親心につけこんだ犯罪を「ものすごく巧妙でひでえ犯罪」と言う村崎百郎氏は実にまっとうな正義感の持ち主であるとこれまた感心。唐沢のフォローは大変だろうけどがんばってほしい。

書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)

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永遠の青春ルドルフ・ヴァレンチノ―彼の劇的な生涯とその作品 (1983年)

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VALENTI (CCCD)

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ラジオライフ 2009年 03月号 [雑誌]

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