唐沢俊一検証blog

唐沢俊一氏の検証をしてきたブログ(更新は終了しました)

小ネタいろいろ。

「裏モノ日記」12月23日より。

それだけに、彼女の正体がわかり、それぞれの抱える問題に
どうおさまりがつくか、という後半以降、ややその緊迫を
解消するカタストロフが足りなかった気がしてしまった。
聞いたら、いろいろ事情もあったようであるが。

…文脈から考えると「カタルシス」なんじゃないかと思うんだが。一応goo辞書を引いておく。

カタストロフィ 【catastrophe】
〔カタストロフ・キャタストロフィとも〕
(1)自然界および人間社会の大変動。変革。
(2)劇や小説の悲劇的な結末。破局

もっと悲劇的な結末にすべきだったって言いたかったんだろうか。まあ、『ゆれるおもひで』なるお芝居の内容はわからないけど。あと、この日の日記のタイトルは「時給が休止する日」なんだけど、オリジナルは『地球の静止する日』でリメイク版は『地球が静止する日』とタイトルが微妙に違うので注意。


フィギュア王』Vol.131『唐沢俊一のトンデモクロペディア』第44回より。

 日本では1997年、日本を代表する知識人、吉本隆明氏が水泳中に溺れて死んだ、という情報が流れたことがあった。娘の吉本ばななでさえ本気にし、そのときちょうど父との対談集をまとめていたところで、“ああ、こういう本をまとめておいてよかった”と思ったというから、みんな本気にしたのだろう。

 吉本隆明が溺れたのは1996年8月3日。吉本親子の対談集が1997年2月に出てることから気づいてほしかったが。ところで『共同幻想論』は読んだの(詳しくは12月11日の記事を参照)?


キッチュワールド案内』(早川書房)P.55より。

 日本にライカのカメラを紹介し、普及させた井上鍾(あつむ)という人物がいるが、彼もまた新渡戸信奉者の一人であり、“われ太平洋に架ける橋とならん”という新渡戸の言葉に感動し、自らもその実践に、ドイツと日本をカメラを通して結ぼうと努力した。

 正しくは井上。“世界のナベアツ”の本名と同じ(渡辺鐘)だ。新渡戸稲造の言葉は正確には「願はくはわれ 太平洋の橋とならん」。


同じく『キッチュワールド案内』P.99より。

「吸血植物スフラン」

正しくは「怪奇植物スフラン」。


同じく『キッチュワールド案内』P.34より。

キュアリオシティというのは、アリス・リデルが、うさぎを追いかけてワンダーランドに入り込まずにはいられなかった、あの大人にない好奇心だという。

アリス・リデルは『不思議の国のアリス』のヒロインであるアリスのモデルであって、アリス・リデル本人が不思議の国に行ったわけではない。


同じく『キッチュワールド案内』P.97より。

そして梁山泊豪傑中ナンバーワンの人気を誇り、『金瓶梅』にも登場する武松はただ“行者”だ。これはそのストイック性(美女・潘金蓮に言い寄られてもまったくなびかない)をイメージしての名だろう。

武松が「行者」と呼ばれているのは役人の追跡をかわすために修行者の格好をしているため


同じく『キッチュワールド案内』P.98より。

こういうあだ名を実にうまく使っていたのが池波正太郎で、『鬼平犯科帳』に登場する白波者の、“蛇(くちなわ)の平十郎”、“網虫の九六”、“墨斗(すみつぼ)の孫八”、“蓑火の喜之助”などという異名のカッコよさにしびれた読者は多いだろう。

正しくは「網虫の久六」。


同じく『キッチュワールド案内』P.150

 『滝の白糸』という泉鏡花の小説がある。恋する女性(しかも恩人)を裁かねばならなくなる若き裁判官の話だが、昭和八年に溝口健二が撮った映画を観ると、裁判官(岡田時彦)が、閻魔大王みたいな服装で烏帽子をかぶった姿で出てくる。

『滝の白糸』は鏡花の小説『義血侠血』が舞台化・映画化された際のタイトル。この小説の見所のひとつは、ヒロインである「滝の白糸」の前に彼女がかつて面倒を見ていた村越欣弥が検事として現れるシーンである。…裁判官じゃないじゃん。


唐沢俊一は『キッチュワールド案内』について「主な内容については2度チェックを行っている」って書いていたけどガセがボコボコ出るなあ。まだ大ネタがいくつかあるので順次取り上げていくつもりだけど。

キッチュワールド案内(ガイド)

キッチュワールド案内(ガイド)

吉本隆明×吉本ばなな

吉本隆明×吉本ばなな

DVD ウルトラマン全10巻セット

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不思議の国のアリス (新潮文庫)

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完訳 水滸伝〈1〉 (岩波文庫)

完訳 水滸伝〈1〉 (岩波文庫)

新装版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫)

新装版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫)

泉鏡花集成〈1〉 (ちくま文庫)

泉鏡花集成〈1〉 (ちくま文庫)