適当すぎてIRAIRAしてくる。
町山智浩さんにトラックバックしていただきました。町山さんは昨日の記事を受けてより深いツッコミをしているのでぜひ読んでみてください。IRA関連は自分ももっと突っ込んでおくべきだったと反省したので、今日はIRAに関連したガセビアを取り上げてみる。
『トンデモ事件簿』P.164〜165
それはともかく、マウントバッテン卿の殺害を受け、鉄の女・サッチャー首相(当時)はこの事件に徹底して報復を行うと宣言、IRAを撲滅すると意気込んだ。IRAも反撃。テロと攻撃の連鎖が止まらない。IRAの闘士ボビー・サンズは捕らえられるが、獄中立候補をして下院議員に当選するが議会に出られず、抗議のためにハンストを始めた。
しかし、そんなことでひるむサッチャーではない。サンズの要求を無視。メシを食わないなら勝手に食うな、と放っておいたら本当にサンズは餓死してしまった。する方もする方、される方もされる方である。
この文章、時間の前後関係がメチャクチャである。まず、マウントバッテンが暗殺されたのは1979年8月27日。しかし、ボビー・サンズが逮捕されたのは1976年10月なので、サンズの逮捕とマウントバッテン暗殺とは何の関係も無い。そして、ボビー・サンズはハンガーストライキの最中に下院議員に当選しているのだ。サンズが獄中での待遇の改善を求めてハンガーストライキを開始したのは1981年3月1日で、下院議員に当選したのは4月9日。その後、サンズはハンガーストライキを続けた末に5月5日に死亡した。
※追記 唐沢俊一は『社会派くんがゆく!維新編』(アスペクト)でも同じようにボビー・サンズについて誤った話をしている、というか使いまわしている。こことここを参照。
- 作者: 唐沢俊一,村崎百郎
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2005/12/22
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