こ、これが「薬局通」?
『薬局通』P.177〜178
しかし、なかにはこういうものはすべてウサン臭いと思っている方もいらっしゃるだろうが、たとえばマムシの皮は反鼻といって、レッキとして漢方薬の一種なのである。
反鼻(ハンビ)は、マムシから皮と内臓を取り除いたもの。まったくの逆である。唐沢は『裏モノの神様』でも同じ間違いをしている(詳しくは「トンデモない一行知識の世界」を参照)。
ジャコウというのはシベットともいって、ジャコウジカという動物の分泌液。
シベット(civet)は、ジャコウネコの分泌物のことで、別名は霊猫香という。ジャコウジカの分泌物の別名はムスク(musk)である。
ゴオウというのは牛の体内にできる腎臓結石。
ゴオウ(牛黄)は牛の胆石である。
・・・5行足らずの間に3つもガセがあるとは、ある意味唐沢の処女作にふさわしいと言えるかもしれない。